治療
頸管無力症と診断された場合、大きく二通りの治療方針があります。
一つ目は慎重な経過観察です。頸管が短くなり開いてしまうことに注意しながら、経腟超音波検査により頸管の変化を頻繁に検査していきます。外来通院での経過観察もありますが、場合によっては入院したうえでの安静、経過観察が行われます。
二つ目は子宮頸管縫縮術という手術になります。これは、頸管無力症が疑われた、もしくは診断された場合に妊娠12週を過ぎてから実施されるものです。下半身に麻酔をしてから、子宮頸管を糸できつく縛ることで、物理的に子宮頸管が開いてくることを防ぎ、流産や早産を予防する目的で行われます。ただし、絨毛膜羊膜炎など子宮頸管や子宮内の感染が疑われる場合には、手術によって悪影響を与えてしまう可能性があるため、まずは感染症に対する治療が先に行われます。
手術を実施した後に経腟分娩を行う際は、子宮頸管を結んでいる糸を抜糸する必要があります。なお、子宮頸管縫縮術は有効性が明確にはなっておらず、流早産を減らすことができたという研究報告と、減らす効果はなかったという研究報告がどちらも存在し、結論が出ていない状況です。
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