しょくどうりょうせいしゅよう

食道良性腫瘍

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

食道良性腫瘍とは、食道にできる良性の腫瘍(しゅよう)のことです。特に自覚症状がないまま健康診断などで偶然発見されることもあります。

食道良性腫瘍にはさまざまな種類がありますが、もっとも多いのは食道平滑筋腫で約7割を占めます。 そのほかには、ポリープや脂肪腫、リンパ管腫、血管腫などがあり、食道粘膜の下から形成される粘膜下腫瘍がほとんどです。

正確な診断には病理検査が必要ですが、どの種類の良性腫瘍であっても基本的には治療法に大きな違いはありません。

原因

食道良性腫瘍が形成される正確なメカニズムは、現時点では解明されていません。しかし、悪性の食道がんと同様、喫煙やアルコールの多飲、熱いものや香辛料の摂りすぎによる食道粘膜への刺激が原因となっているという説があります。また、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によってポリープ が形成されることがわかっています。

症状

特に自覚症状がないまま健康診断などで偶然発見されることがあります。しかし、腫瘍が成長して大きくなると、のどや前胸部の違和感、痛み、食べ物のつかえ感などが現れます。ほとんどの腫瘍は潰瘍(かいよう)や出血などは伴いません が、血管腫などでは潰瘍や出血を引き起こし、吐血や黒色便が生じることもあります。また、重症化するとごくまれに食道に穴があくこともあるため、注意が必要です。

検査・診断

主に内視鏡検査や画像検査、血液検査などがおこなわれます。

内視鏡検査

食道のなかを内視鏡で直接観察する検査です。腫瘍の大きさや位置、閉塞の程度などを詳しく観察することができます。また、内視鏡検査と同時に腫瘍の一部の組織を採取して病理検査を行うことが一般的です。病理検査では腫瘍がどのような性質をもつのかを調べることができ、予後の推定や治療法の選択の際に重要な検査です。

画像検査

主にCT検査が行われます。CT検査では食道内部にある病変だけでなく、周辺臓器への圧排やほかの臓器にある病変を観察することが可能です。

血液検査

血液検査では炎症や腫瘍からの出血による貧血がないか調べ、ほかの病変の有無を確認するために各種腫瘍マーカーやそれぞれの臓器に特有の検査を行います。

治療

腫瘍が小さく、目立った自覚症状がない場合には、特別な治療は必要とせず、内視鏡検査や食道造影などでの経過観察が行われます。

一方、腫瘍が大きく自覚症状が著しい場合には、手術が行われることがあります。食道の手術は、感染症などの合併症が生じやすい縦隔(じゅうかく)と呼ばれる前胸部を切開することになるため、可能な限りでは、侵襲性が低い内視鏡による粘膜切除術が行われます。

また、腫瘍からの出血が多い場合や穿孔(せんこう)(穴があくこと)を生じたときには緊急で手術を行って腫瘍を摘出することがあります。しかし、極めて大掛かりな手術になるため、施行には症状と全身状態を考慮して行われることが多いです。

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