治療
骨盤臓器脱の治療方法としては、保存療法と手術療法が挙げられます。
保存療法
骨盤底筋体操
軽症で生活への支障が少ない骨盤臓器脱の場合、体操を行うことで骨盤底筋を強化し、症状の緩和を目指します。
ペッサリーリングの挿入
ペッサリーリングと呼ばれる器具を腟の中に入れることによって、骨盤臓器の脱出を防ぐ治療方法です。手術と異なり外来で治療を受けられますが、数か月おきに器具の交換が必要となるほか、腟内に炎症が生じておりものが増えたり、不正出血が生じたりする恐れがあります。
手術療法
骨盤臓器脱を根治する治療方法は手術療法で、生活に支障が生じている例や合併症のある例では手術が検討されます。手術にはさまざまな方法があり、子宮脱の場合には子宮そのものの摘出が検討されることもあるほか、膀胱瘤や直腸瘤の場合には臓器を適切な位置に固定したり、腟壁を補強したり、閉鎖したりすることも検討されます。また近年は、メッシュ(網目状の膜)を体に埋め込むことで骨盤臓器脱を防ぐ治療方法も登場しています。
これらの手術治療は、開腹手術や腟から手術を行う“経腟手術”などによって行うことが一般的です。開腹手術の場合、近年はより体に負担のかかりにくい腹腔鏡下手術(あるいはロボット支援下手術)も検討されるようになりました。
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