概要
鼻せつとは、鼻の入り口付近の皮膚に細菌感染が起こり、赤く腫れてしまう感染症のことを指します。
原因となる細菌は、ほとんどが黄色ブドウ球菌と呼ばれるありふれた細菌です。鼻せつが生じると、ときにピエロの鼻に見えるほど赤く腫れ上がることがあります。
また、鼻の炎症にとどまらず、蜂窩織炎や海綿静脈洞血栓症といった合併症が起こる可能性もあります。
原因
原因のほとんどが黄色ブドウ球菌の感染ですが、この菌は皮膚や髪の毛、鼻の中にも常在する菌であり、非常にありふれた細菌です。
しかし、鼻をいじる、鼻毛を抜くなどの動作によって皮膚に傷がついてしまい、傷の部分から黄色ブドウ球菌が感染を引き起こすことがあります。
黄色ブドウ球菌は基本的には抗生物質を用いた治療が可能ですが、抗生物質が効きにくいMRSAと呼ばれるものも存在します。
症状
鼻に炎症反応が生じるため、鼻が赤く腫れ上がり痛みを伴うようになります。膿を伴うこともあり、それが排膿されることもあります。
また、鼻せつで生じた細菌感染症がさらに奥深くにまで進展することがあります。そのため、合併症として蜂窩織炎や海綿静脈洞血栓症などの病気が引き起こされることがあります。
特に海綿静脈洞血栓症は、黄色ブドウ球菌が頭蓋内に入り込むことを意味しており、中枢神経感染症としてより重篤な病態に陥ることになります。
具体的な症状として
- 目がうまく動かせない
- 眼球の突出
- 顔面感覚の低下
- けいれん
- 意識レベルの低下
などがみられることもあります。
糖尿病やステロイドの使用中などの状況では、免疫力が正常よりも低下することがあります。こうした状況は、感染症がより波及しやすいため注意が必要です。
検査・診断
鼻せつは、病気の発症までの臨床経過や鼻の状態の評価を詳細にすることで診断されます。
感染症の原因となっている病原体を特定することを目的として、膿を用いた培養検査が行われることもあります。これに付随して抗生物質に対しての感受性検査(その菌に対する抗生物質の効果などを調べる検査)を行うことも可能であり、治療薬の選択に有益な情報となることがあります。
治療
鼻せつは主に黄色ブドウ球菌を原因として引き起こされるため、黄色ブドウ球菌に効果が期待できる抗生物質を用いて治療します。
抗生物質は、軟膏で使用することもありますし、内服薬の場合もあります。ときにMRSAと呼ばれる抗生物質が効きづらいタイプの黄色ブドウ球菌が原因となっていることもあります。そのため、抗生物質の選択は慎重になされます。
また、膿が多く蓄積している場合には、切開排膿を試みることもあります。感染が広がってしまう可能性も懸念される病気であるため、早期に対処することが大切です。
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