ほうかしきえん

蜂窩織炎

最終更新日:
2020年07月13日
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2020/07/13
更新しました
2017/04/25
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概要

蜂窩織炎とは、皮膚の傷などから細菌が侵入し、皮膚とその下にある脂肪組織などに炎症を引き起こす病気です。全身に発症する可能性がありますが、もっともよく見られるのは足からふくらはぎにかけての部位とされています。

蜂窩織炎を発症すると、炎症を起こした部位が痛みや熱感を伴って赤く腫れ上がり、徐々に範囲が広がっていきます。また炎症が強くなると発熱や悪寒、倦怠感などの全身症状を引き起こすこともあり、中には敗血症などに移行して命に関わるようなケースもあります。

治療には原因となる細菌を死滅させる作用を持つ抗菌薬の投与が行われ、数日~10日ほどで快復することがほとんどです。しかし、炎症が強く皮膚の下にがたまっているようなケースでは、膿を排出する治療が必要になることもあります。

原因

蜂窩織炎は、皮膚の傷から皮下の脂肪組織などに細菌が侵入することによって引き起こされる病気です。細菌が侵入する“皮膚の傷”は必ずしも大きなものではなく、ささいな引っかき傷や虫刺されやけどなど非常に小さな傷口、水虫や過度な乾燥肌など皮膚のバリア機能が低下するような皮膚の病変部分から侵入することもあります。また、細菌の侵入門戸がわからない場合も多くあります。

皮下の脂肪組織などに侵入した細菌は炎症を引き起こし、さらに皮膚の下で周囲にどんどん炎症を広げていきます。その結果、細菌が侵入した部位から広い範囲にまで発赤や腫れ、痛みなどが引き起こされます。なお、蜂窩織炎の原因となる細菌は多々あり、代表的なものではブドウ球菌が挙げられます。

重度な糖尿病などが原因で免疫力が低下している場合に発症リスクが高くなります。

症状

蜂窩織炎を発症すると、皮膚と皮下の脂肪組織などに炎症が引き起こされ、痛み、熱感、発赤、腫れといった症状が現れます。特に患部を押すと痛みが強くなり、脚に発症した場合は歩行が困難になるケースも少なくありません。

また、炎症が重症化した場合には、高熱や悪寒、倦怠感、頭痛といった全身症状が見られるようになり、敗血症に移行することがあります。さらに、周囲のリンパ節にも感染が広がり、痛みを伴うリンパ節の腫れが目立つようになります。

検査・診断

蜂窩織炎は非常に特徴的な症状が見られるため、医師が患部を視診・触診することで診断を下すことがほとんどです。ですが、重症度や病状を評価するために次のような検査を行うことがあります。

血液検査

体内で生じている炎症の程度を調べるために血液検査が行われます。とくに非常に重度な炎症が生じていると考えられる場合には、敗血症など重篤な状態に移行していないか調べるために血液検査を行うのが一般的です。

画像検査

蜂窩織炎は皮膚の下に存在する脂肪組織などに炎症が生じますが、皮膚の上からではどのような状態になっているのか調べることはできません。そのため、レントゲンやCT検査などを行って皮下組織の状態を評価することがあります。

培養検査

蜂窩織炎を引き起こした原因菌を特定するための検査です。や浸出液がある場合はそれらを採取して細菌を培養します。食塩水を病巣に注入した後に吸引し、培養検査を行うこともあります。検査結果が出るまでには数日の期間を要しますが、原因菌にあった抗菌薬を正しく選択するためにも必須の検査となります。

治療

蜂窩織炎の治療は、原因菌に合った抗菌薬の投与が主体となります。多くは点滴での投与が行われ、数日で回復していくとされています。また、同時に発熱に対する解熱剤、痛みに対する鎮痛剤などそれぞれの症状を和らげるための“対症療法”を行うことも少なくありません。

また、蜂窩織炎は重症化すると皮膚の下にの塊が形成されることがあります。このようなケースでは、皮膚の一部を切開して膿を排出させる“切開ドレナージ術”を行わなければならなくなります。

予防

蜂窩織炎は上でも述べたように、皮膚の傷から細菌が侵入することによって発症します。そのため、蜂窩織炎を予防するには皮膚を清潔に保ち、傷ができないよう注意することが大切です。特に糖尿病や免疫を低下させる作用のある薬を飲んでいる方は、足など蜂窩織炎が起こりやすい部位のケアをしっかり行いましょう。

また、皮膚のバリア機能を維持して細菌の侵入を防ぐには、皮膚の保湿を徹底し、何らかの皮膚の病気があるときはできるだけ早く治療を受けるようにしましょう。

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