原因
S状結腸軸捻転の原因は、生まれつき(先天的)の原因と、それ以外(後天的)の原因に区別できます。
生まれつきの原因
生まれつき大腸や腸間膜(消化管を体壁から吊り下げている部分)の長い人、腸管回転異常*のある人はS状結腸軸捻転を生じやすいといわれています。
*腸管回転異常:胎児期に、小腸と大腸がお腹に収まる過程で発生する異常のこと。この異常によって腸がねじれやすくなる。
それ以外の原因
S状結腸軸捻転は高齢者に多くみられます。年齢とともに脂肪が減少して臓器が移動しやすくなることや、慢性的な便秘、慢性腸間膜炎、長期にわたって寝たきりの状態などが重なって生じるものと考えられています。また、向精神薬の服用によって大腸の蠕動運動の停滞が起こることや、便意や痛みを感じにくいことから精神疾患の患者にも多くみられるようです。
精神疾患以外で合併する頻度の高い病気としては、パーキンソン病などの神経疾患、巨大結腸症の原因となる病気、脳疾患、脊髄の損傷などが挙げられます。そのほか、手術治療後の臓器の癒着や妊娠が原因となって生じる場合もあります。
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