原因
SARSは、一部のコロナウイルスに感染することで発症する病気です。
コロナウイルスとは通常の風邪を引き起こす原因ウイルスの1つですが、SARSの原因となるコロナウイルスは、これとは区別され“SARSコロナウイルス(SARS-CoV)”と呼ばれています。コロナウイルスは、電子顕微鏡で見たときの見た目が太陽の“コロナ”と似ていることから名付けられています。見た目の類似性はありながらも、風邪の原因ウイルスとしてのコロナウイルスと比べて遺伝子的な特徴は大きく異なります。SARSコロナウイルスでは、呼吸器や消化管などに発現しているアンジオテンシン変換酵素のACE2が感染のレセプターたんぱくとなります。
SARSコロナウイルスは咳や痰などに含まれたウイルスを介して感染が成立する、飛沫感染が主流であると考えられています。さらに、ウイルスがエアロゾル感染によって広い範囲に広がった例も報告されています。しかしながら、もっとも感染リスクが高いのは“濃厚接触”をすることであると考えられています。SARSの患者さんの病状介護や食器の共有、近くで会話をするなど、密接な接触によってSARS患者さんの気道分泌物や体液を介してウイルス感染が拡大する可能性がより高くなります。
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