沖縄第一病院は、ベッドを持たない診療所として1983年に開院して以降、当時この地域に不足していた内科や小児科、透析治療など、地域のニーズに応じた医療を提供できるよう、医師や医療機器などを増やしてきました。現在は、地域の高齢化に対応するため、在宅医療や訪問看護などに力を入れています。
地域のニーズに合わせた医療を提供し続けてきた沖縄第一病院の特徴や今後の方針などについて、沖縄第一病院理事長の宮城信雄先生にお話を伺いました。
当院が位置する南風原町は、沖縄県那覇市に隣接し、交通の便がよいところです。那覇空港から車で30分もかからない場所にあるため、離島にお住まいの方や旅行者の方も多くいらっしゃいます。
当院の前身である「南風原クリニック」が開院した1983年頃の南風原町は、沖縄県のなかでも、とくに若い人が多く住む町でした。子どもが生まれることで、町の人口はどんどん増えている一方で、この地域には内科や小児科が不足していました。そのため、当院は内科と小児科を掲げ、小さなお子さんも受け入れてきました。当時、院内では成人の患者さんよりも、小児の患者さんの方が多かったことが印象的です。
さらに、透析治療を行う医療機関については、沖縄県全体でも不足している状況でした。透析を必要とする患者さんは、腎臓疾患のほかにも合併症をお持ちのことが多く、ベッドがない小さな診療所では対応し切れなくなりました。そのため、南風原クリニックは、透析患者さんのための専門的な治療ができるよう、医師や医療機器、ベッドなどを増やして病院の規模を拡大し、沖縄第一病院となりました。
当院は、合併症をお持ちの透析患者さんの治療も可能な病院です。患者さんによりよい人工透析治療を提供するために、私は全国の透析施設を訪問し、人工透析の技術を学び、医療技術の向上に励みました。国内の各地方で開催されていた透析研究会(現日本透析医学会)の学術総会には毎年欠かさず出席し、人工透析の研究を重ねてきました。
透析患者さんの高齢化を1つの理由として、さまざまな合併症を持っている患者さんが多くなりました。そのため、当院では合併症をお持ちの患者さんにも対応できるよう、内科、呼吸器科、循環器科、消化器科や外科など、さまざまな診療体制を整えています。
また、旅行中に臨時の透析を希望される方にも対応しています。旅行にいらっしゃる前にご連絡いただければ、よりスムーズに透析を受けることができます。
2017年にMRI装置を一新しました。頭部や骨盤といった部位を特定したMR検査、全身撮像検査も可能になり、より多くの検査に対応できるようになりました。また、2018年5月には、CT装置を一新しました。
最近では、近隣の病院やクリニックの先生方からのMRIやCT撮影のご依頼も増えています。これからも、地域の医療機関と連携し、地域の皆さんによりよい医療の提供ができるよう、努力していきます。
当院は、透析専門の病院としてスタートしましたが、今では急性期の患者さんや、回復期・慢性期の患者さんまで、さまざまな患者さんがいらっしゃいます。当院では、さまざまな診療科や多職種が連携したチーム医療を実践して、地域のニーズに合わせた医療を展開していきます。
また、地域の高齢化が進むなか、地域の皆さんにとっては、住み慣れた土地で安心して暮らせることがとても重要だと考えます。当院は、地域密着型病院として、訪問診療を始めとする高齢者のための医療や高齢者向けの施設の充実に、力を入れていきます。また、地域の医療介護施設との連携を強化し、在宅医療の更なる充実を目指します。
当院は、地域密着型の病院であり、年齢も症状もさまざまな患者さんがいらっしゃいます。そのため、さまざまな症例を診ることができ、幅広い知識や経験が蓄積できるでしょう。研修医は指導医の丁寧な指導のもと、研修医1年目の頃から数多くの患者さんを診ることができます。将来的に開業医を希望される方にも、よい経験になると思います。
沖縄第一病院を受診された患者さんに関しては、責任を持ってしっかりと診療します。もし、当院よりもほかの病院で治療を受けた方がよい場合には、必ず適切な先生をご紹介します。
当院を受診された患者さんのカルテは、患者さんのものです。たとえ何十年も前に来院された患者さんのカルテであっても、一つひとつ大切に残しており、患者さんがいつ来院されても対応できる準備をしています。何か気になることがありましたら、いつでも安心して当院にお越しください。
医療法人信和会沖縄第一病院 理事長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。