新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
インタビュー

血友病ってどんな病気?

血友病ってどんな病気?
嶋 緑倫 先生

奈良県立医科大学 小児科 教授

嶋 緑倫 先生

血友病」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。「一生治らない病気」や「血が止まらなくなる病気」というような、ネガティブなイメージを持たれる方もいるかもしれません。その一方で、現在血友病治療は目覚ましく進歩しており、新しい製剤の研究も進んでいます。今回は血友病についての基本的知識から、現在研究段階の最新の治療法まで、血友病の専門医でいらっしゃる奈良県立医科大学小児科教授の嶋緑倫先生にお話を伺いました。

通常、出血してしばらくすると損傷した部分に止血栓とよばれる血を止めるためのふた(かさぶた)が形成され、血が止まります。血管が傷ついてから血を止めるまで、体の中では止血のメカニズムが働きます。

まず、血管が損傷した部分から出血すると、その部分の血管が少し縮んで血液量を減らし、血管内皮を構成しているコラーゲンという物質が露出します。次に損傷部位に血小板と呼ばれる血液構成成分が集まってきて、一次血栓になります。その後、凝固因子と呼ばれる止血を強固にする物質が網の目のように一次血栓に付着し、二次血栓を形成します。このように、一次血栓、二次血栓という2段階を踏むことで、より強固に止血を行うことができます。

止血のメカニズム

血友病とは、先ほど述べた止血のメカニズムのうち、後半の二次血栓を形成する凝固因子が欠乏することによって生じる病気です。凝固因子が欠乏するということは、止血がしにくく、出血をしやすい状態であるということです。

具体的には、血友病A血友病Bの2種類に分けられます。凝固因子は多種類から成り立っており、血友病Aは第Ⅷ因子、血友病Bは第Ⅸ因子の活性が生まれつきに低下または欠乏していることが原因で発症します。重症度が同じであれば症状はA、Bとも変わらず、血液検査で血友病の種類を調べることができます。

現在、男児出生数の5,000〜1万人に1人が血友病患者であると報告されており、全世界にはおよそ40万人以上の血友病患者さんがいます。
一方、日本における2013年の血友病患者は、約6,000人弱(血友病Aが4,870人(82.4%)、血友病Bが1,034人(17.5%))で、血友病Aが血友病Bのおよそ5倍となっています。男の子しかならない病気と思われがちですが、女性の血友病も割合は少ないながら報告されています。(血友病Aは4,870人のうち35名、血友病Bは1,034人のうち14名が女性)

また、血友病患者数は世界的にみても増加しています。しかし発症数が増えているわけではなく、診断によって検出率が上がったということと、治療の進歩によって患者さんの寿命が延びているからだと考えられます。一方で、日本での発症割合は欧米に比べるとかなり低くなっています。この原因としてはっきりとしたエビデンス(根拠)は出ていませんが、人種差ではないとされています。つまり、軽症の血友病患者はまだ診断されていないという可能性が考えられているのです。

どちらにせよ、血友病患者の寿命は、現在行われている適切な治療を受けることができれば正常の人と変わりません。ご自身やお子さんに少しでも異常を感じたら、病院を受診されることをお勧めします。

受診について相談する
  • 奈良県立医科大学 小児科 教授

    嶋 緑倫 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連の医療相談が12件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しておりますが、アプリからは初回のみ無料でご利用頂けます。初回利用後も、自動で課金される事はありません。

    「血友病」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。