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インタビュー

褥瘡への新たな取り組み

褥瘡への新たな取り組み
立花 隆夫 先生

大阪赤十字病院 皮膚科 部長

立花 隆夫 先生

2002年に褥瘡専門チームが結成されるまでは、病院内における褥瘡の発生率は4~5%との報告がされていました。しかし、現在では大学病院などの病院では、発生率は0.1%以下にまで減ってきています。ここでは、今回お話をお伺いした大阪赤十字病院皮膚科部長の立花隆夫先生を中心とした、大阪赤十字病院褥瘡チームの取り組みや、新たに注目されている褥瘡について、お話をお伺いしました。

当院は、緊急・重症な状態にある患者さんの入院や手術・検査を行う急性期の病院になります。すなわち、病気になってから比較的早期の患者さんを対象としているので、長期間入院している患者さんの割合は多くありません。また対策も行っているので、当院に入院してから褥瘡になる患者さんは非常に少なくなっています。脳血管疾患などの治療のために入院された患者さんが併存して持っていた褥瘡の治療が中心になっています。そのような患者さんに対しては、栄養指導を行うこともあれば、重症化している場合には手術を行うこともあります。

褥瘡対策によって、従来考えられてきた「床ずれ」はかなり減ってきています。その一方で、ここ数年前より医療関連機器圧迫創傷(Medical Device Related Pressure Ulcer)という症状が認知されはじめ、その対策や介入の必要性が意識されるようになってきています。

医療関連機器圧迫創傷とは、医療機器を装着した部位に生じる創傷のことを指します。例えば、鼻から胃に通す胃菅チューブでは、長期間装用することで鼻の穴の周りに潰瘍が出来てしまうことがあります。また骨折の際に骨を固定するギプスや固定具の圧迫が強いと、あざのような跡ができることがあります。このような状態と褥瘡は一見全く違う疾患に見えますが、実際には、褥瘡は自分の体重の圧によってできた創傷であり、医療関連機器圧迫創傷は医療機器による圧迫でできた創傷のことを指すため、発生の原因は根本的には一緒であると考えられるようになってきました。現在はこのような新たに認知されてきた医療関連機器圧迫創傷に対する治療指針を作っているところです。

まず、大阪赤十字病院褥瘡チームでは「褥瘡」という言葉をあまり使わないようにしています。患者さんによっては、褥瘡という言葉にあまりいい印象を持たれない方もいらっしゃいます。これは漢字のイメージからきているのかもしれませんが、なるべく「床ずれ」という言葉を使うようにしています。

また、褥瘡の治療において意識しているのは「患者さんの邪魔をしない」ということです。そもそも褥瘡は何か細菌やウイルスが侵入して発症する病気ではありません。自然な状態であれば発生しない疾患です。また発症しても患者さんには褥瘡を治す潜在力が備わっています。そのため、私たち褥瘡対策チームは、患者さんの自然治癒力の邪魔になっているものをできるだけ取り除こうという意識をもって褥瘡の治療に当たっています。そして、褥瘡の治療より先にその発症誘因となっている原疾患の治療をしっかり行うことが大切だと思います。

 

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