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画像でみる褥瘡(床ずれ)―その原因とは?

画像でみる褥瘡(床ずれ)―その原因とは?
佐瀬 道郎 先生

公益財団法人星総合病院 形成外科

佐瀬 道郎 先生

寝たきりの方や車いす生活の方のなかには、おしりの皮膚が赤くなる、水疱ができて破れ皮がむける、重症の場合には皮膚が黒く壊死するといった症状が現れることがあります。この状態のことを昔は「床ずれ」と呼んでいました。寝たきりの老衰の方に発生し、治ることなく亡くなってしまうものと認識され、病気という認識はありませんでした。しかし、床ずれは、褥瘡(じょくそう)という皮膚潰瘍のひとつで、予防と治療の必要な病気です。けがでできた創(きず)や熱傷などよりも、治りが遅く治療が難しい皮膚潰瘍です。

褥瘡はなぜ治りにくいのでしょうか。そもそも、褥瘡はどのようにして発生していくのでしょうか。予防や治療はどのようにされているのでしょうか。

本記事では公益財団法人星総合病院 病院長補佐 兼 形成外科部長の佐瀬道郎先生に、褥瘡とはどのような疾患なのかを解説していただきました。

褥瘡

褥瘡とは圧迫ズレ力によって、皮膚や皮下組織が障害を受けた状態です。

ヒトは体の同じ部分に力が掛かり続けないよう、無意識のうちに動いています。たとえば椅子などに座っているときには約10分毎に座り直しますし、睡眠中にもおよそ15分毎に寝返りをうちます。このように体の一部が圧迫され続けることを無意識に回避しているのです。

しかし、加齢による著しい筋力低下や脳血管障害などによる神経麻痺、薬剤の影響などにより、自力での寝返りや座り直しなどの体位変換ができなくなります。するとベッドや座面と骨の間に皮膚・皮下脂肪・筋肉が挟まれて圧迫され、それらの組織への血流が障害されてしまいます。皮膚・皮下脂肪・筋肉などの組織が約2時間以上の間、圧迫され続けて虚血になると、不可逆的なダメージを受け、初期には水疱の形成や表皮剥離を来たし、さらに長時間の虚血が続くと壊死は深く拡大していきます。

このように、圧迫やズレ力によって皮膚や皮下脂肪、筋肉が障害された状態を褥瘡(じょくそう)といいます。通常は、寝たきりの方に起きることが多い疾患ですが、野球のバットやテニスのラケット、ゴルフのグリップなどでできるマメも褥瘡の一種です。長時間の手術後や集中治療室で人工呼吸器を装着している方に発生することや、若い女性が出産後に麻酔の影響で両足を全く動かさないでいたことで踵(かかと)に褥瘡が発生することもあります。そのため褥瘡は寝たきりの方だけに起きるわけではないといえます。

褥瘡には、浅く小さいものから、深く大きいものまであり、壊死の深さ・広さの範囲によって重症度が大きく異なります。初期の褥瘡は、皮膚が持続して赤紫色になってきます。さらに進行すると水疱ができて皮がむけてきます。進行した褥瘡は皮膚が壊死して黒色になり、皮膚の下の脂肪や筋肉も壊死します。これらの壊死した組織が融解したり脱落したりすれば骨が露出してきます。圧力、ズレ力の程度とそれらの時間がどのくらい連続したかによって重症度が決まります。

たとえば、約6時間ほど意識を失ってベッドではなく硬い床に倒れた状態でいれば、発見された時点で褥瘡が発生することがあり、壊死する範囲はおおよそ決まっていると考えられます。一方、皮膚や筋肉が壊死してもそれらが目で見てわかるように変化するまでには数日から1週間程度かかります。したがって、皮膚が赤色や紫色に変化していることに気付いた後の数日の間で皮膚が黒色に変化したことから、ご家族の方には「数日で急に悪化した」ように見えるのです。

褥瘡の発生初期の状態を形成外科医や皮膚科医以外の方が判定するのは難しい場合もあると考えられます。したがって、寝たきりの方に褥瘡が発生してもご家族は誰も気づかず2週間程度が経ち、皮膚の壊死が明瞭となり異臭がした時点で初めて褥瘡発生に気付かれることも多いのです。そして、気が付いた時にはすでに褥瘡発生から時間が経過し、深部まで進行することで、壊死組織が自己融解して「ポケット」となっていることもあります。

皮下脂肪が厚い部位やしっかりした筋肉のある部位に褥瘡が発生した場合、褥瘡が深く複雑な状態になることがあります。数日前まで表面の皮膚が赤紫色であっても、皮膚の下の脂肪や筋肉は皮膚よりも虚血に弱いため、ダメージを受けていることがあるのです。したがって、皮膚が赤紫色になっている範囲よりも脂肪や筋肉が壊死している範囲が広くなるのです。壊死した組織は融解して膿となります。壊死した組織は臭いを感じるようにもなり、より一層褥瘡が悪化したように捉えられるのです。融解した組織が体内にとどまっていると発熱の原因となり、体力が衰弱していると敗血症を引き起こすこともあります。そして融解した壊死組織や膿が体外へ排出されると、壊死した体積分の「空洞」ができてしまいます。この空洞が「ポケット」と呼ばれるものです。

ポケットは痩せた方より体格のよい方に深いポケットができやすいといえます。また脂肪まで壊死して、褥瘡で筋肉が露出している状態の褥瘡に、オムツ交換時や体位交換時、ベッドでの頭側挙上時などでズレ力がかかることによって、筋肉と脂肪の間が剥がれてしまってできるポケットもあります。この場合は、ポケット発生のズレ力を取り除かない限り、ポケットを治すことは難しいといえます。

褥瘡が軽症なのか重症なのかを客観的に表現する言語は、欧米にもありませんでした。2002年に日本褥瘡学会がDESIGNとして作成、その後DESIGN-Rに改訂され本邦では共通の言語となってきました。

DESIGN-Rでは下記の7項目を観察してスコア化すること(重みづけRating)で褥瘡の重症度を評価します。

褥瘡の分類

たとえばDESIGN-Rの深さ(Depth)の評価のみをみてみると、下図のようになっています。創内の一番深い部分で評価を行い、d0、d1、d2、D3、D4、D5、DUの7段階で区分します。小文字は軽症、大文字は重症という意味があります。

褥瘡の深さ

この深さ以外の6項目(滲出液、大きさ、炎症/感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット)の合計点(0~66点。Dの点数は含めない)によって創の重症度を表します。

褥瘡がなければ0点、66点が最も高い点数で、重症の状態です。20点以上ある場合は治るまでに3か月以上かかると考えられます。点数がわかれば褥瘡の程度が想像できますし、定期的に点数をつければ、悪化したか改善したかがわかります。

それぞれの褥瘡がどのようにみえるか、写真をもとにみていきましょう。

持続する発赤と表現され、赤紫色にみえる状態です。指で押して赤みが白く変化する場合は持続する発赤ではなく褥瘡ではありません。

深さd1の褥瘡

真皮までの損傷と定義されています。水疱が破れた表皮剥離と呼ばれる状態は、d2の中では最も浅い褥瘡であり数日で治ることもあります。分類上は真皮の上層までの褥瘡と真皮の下層に至る褥瘡は同じd2ですが、治癒までの日数は大きく異なります。

深さd2の褥瘡
▲同じd2でも、左側よりも右側の症例の褥瘡が深い
▲左と中は同一症例

深さD4の褥瘡

深さD5の褥瘡

深さDUの褥瘡

 

褥瘡の皮弁手術例
▲皮弁手術例
治癒例 褥瘡
▲治癒例 初診時 / 2週後 / 4週後 / 7週後
褥瘡の治療例2
▲治癒例 初診時 / 2週後 / 4週後 / 7週後
▲切開後に閉鎖した例

褥瘡発生の危険度を調べるために、褥瘡になりやすいか否かを判定するリスクアセスメント・スケール(ツール)があります。

代表的なアセスメントスケールとしてこのようなものがあります。

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・ブレーデンスケール

・OHスケール

・K式スケール

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OHスケール、K式スケールは本邦で作成されたもので、現在はいずれかを本邦のほとんどの医療施設で用いています。しかし、この2つは寝たきりの高齢の患者さんを対象とするものです。小児の患者さんには「ブレーデンQスケール」が、脊髄損傷の患者さんには「SCIPUS」を用いることが、褥瘡予防・管理ガイドラインで推奨されていますが、頻用されるには至っていないともいえます。

OHスケール……自力体位変換、病的骨突出、浮腫、関節拘縮の4項目を点数化して判定することで、褥瘡のなりやすさを評価でき、さらに使用が推奨される体位圧分散寝具の選択ができるものです。考案した大浦先生と改変した堀田先生の頭文字からOHスケールと呼ばれています。

厚労省危険因子評価表……OHスケールの4項目に、高齢者の日常生活自立度、栄養状態低下、皮膚湿潤の3項目を加えて評価する方法です。本評価表は、点数化する評価表ではありません。1項目でも該当すれば、看護計画の立案を検討していくことになります。

K式スケール……自力体位変換、骨突出、栄養状態という3つの前段階要因と体圧・湿潤・ズレという3つの引き金要因の計6項目をYes-Noで評価することで、褥瘡発生を予測する方法です。在宅版K式スケールもあります。考案者の真田先生のグループの在籍する金沢大学の頭文字からK式と呼ばれています。

褥瘡

褥瘡は姿勢や体位によって発生部位が異なりますが、共通していることは骨が出ている部位であるということです。したがって好発部位が体位によって異なります。体位別に好発部位はあります。

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仰向け(仰臥位)……仙骨部、踵

横向き寝(側臥位)……腸骨、大腿骨大転子

座位……尾骨、坐骨

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もちろん上記以外の部位にも褥瘡は発生することがあります。うつぶせで硬いところに寝ていれば、腸骨や膝部、鼻や頬・額・耳などの顔面にも発生します。稀な例としては、和式トイレにしゃがんだままの状態で半日間意識を失った方の足底に発生することもあります。

褥瘡の発生部位と褥瘡の形からいろいろなことが推測できます。

では、褥瘡はいったいどのように予防していけばよいのでしょうか。予防には4つのポイントがありますので、それぞれ説明していきます。

褥瘡を予防するということは、褥瘡の原因を取り除くということです。冒頭でも触れましたが、褥瘡は、圧力とズレ力という力がかかることによって発生します。この2つの力がかからなければ褥瘡は発生しませんのでこの2つの力が褥瘡の直接的原因です。また発生しやすくなる要因や悪化させる要因として間接的原因(要因)があります。間接的原因の主なものとして、皮膚の乾燥・湿潤(とくにオムツ内)、低栄養状態が挙げられます。これらの要因・原因はどのように取り除いていくのでしょうか。

まず第1に、圧力を減らしてできるだけ取り除くことが必要となります。寝ているときの圧力を減らすためにはまず、体圧分散寝具といわれる褥瘡予防のマットレスを使用することが必要です。体圧分散寝具は大きく2つの種類があります。ポリウレタンやゴム製の静止型のものと高機能型(圧切換え型)のエアマットレスです。褥瘡の発生しやすさによってどの体圧分散寝具を選択するかを決めます。通常、寝返りができる方には静止型マットレスを選択し、寝返りができない方には高機能型のエアマットレスを選択します。しかし体圧分散寝具だけでは踵やくるぶしなど足部の褥瘡予防はできません。踵など足部の褥瘡予防には、踵をマットレスから浮かせることが必要なのです。そのためにはアキレス腱から大腿後面にクッション(ポジショニングピロー)を左右1つずつ使用することが必要です。このようなクッションは踵以外にも必要になることがあります。尖足(せんそく)を予防するためには足底にもクッションを挿入します。

褥瘡予防用のピローを使った例

▲左は量販店の枕を使った例、中は褥瘡予防用のピローを使った例 右は高度の拘縮があり6個のピローを使用している例。この例では後に述べるスモールシフト法を併用している。

股関節が外旋してしまい、くるぶしに荷重がかかる場合には、臀部にクッションを入れて股関節を内旋させます。円背(えんばい)、仙骨の病的骨突出、四肢の関節拘縮(こうしゅく)がある場合などです。変形のない健康人が寝た時はベッドと体の間に隙間はできません。ですから頭部から下肢までの体重を背面全体で支えることができるのです。しかし、拘縮変形により体と体圧分散寝具の間に空間ができると、寝具に接している部分だけで体重を支えるので体圧が増してしまいます。つまりこの空間をクッションで埋めていくことが体圧分散になり褥瘡の予防となるのです。

※外旋:体の外側に向かって回転させる動き

※円背(えんぱい):背中の丸まりが増した状態

圧抜きとは、一時的にベッドから体を離すことで、体に生じているズレ力を解放することです。解放する部位によって背抜き・尻抜き・踵抜きがあります。ズレ力は患者さんに圧迫感のようなストレスを感じさせます。ズレ力を解放すると体圧の再分配がなされ、褥瘡を予防することができます。

褥瘡予防用のピローを使った例

褥瘡の予防
▲背抜き / 尻(腰)抜き / 足(踵)抜き

 

いすや車いすに長時間座っていると、尾骨や坐骨に圧力・ズレ力が働いて褥瘡が発生します。そもそも車いすは、短時間での移動の手段であり、長時間座っていることを前提にしたつくりではありません。高齢の方の食事の時などに、折りたたみタイプの車いすを使用する場合は、座面に尾骨が接触しないようにクッションを使用することが必須です。

そのうえで、プッシュアップが必要になります。一般的に、椅子に座っている時はだいたい10~15分毎に座り直しをしています。したがって、車いすに座っている時は意識して座り直しをしなければいけません。プッシュアップとは、車いすに乗る際に腕の力を使ってお尻を浮かせる方法です。介助者の方は、患者さんがプッシュアップをするように声かけをするのがよいでしょう。患者さんがご自身の力でプッシュアップできない場合には、介助者の力によってお尻を浮かせるようにすることが必須です。

車いすにおけるプッシュアップ

尾骨が車いすの硬い座面に触れないようにクッションと座布団を使用します。ただし車いすから転倒しないような注意が必要です。90度ルールの観点からフットレストの上に雑誌などを置いて高さを調節する必要もあります。プッシュアップできない方のお尻を浮かせるには、後ろから抱える方法が一般的ですが、患者さんによっては前から引いてもらうことを希望するなどいろいろな好みがあるので、一人一人に即した方法を考えていきます。

車いすにおけるプッシュアップ

▲プッシュアップ:(左)両腕を車いすの肘掛に置き、腕に力を入れて体を持ち上げてお尻を浮かせる方法、(右)片肘を車いすの肘掛けに乗せ、体重を預けるようにしてもう一方の手で肘掛けを押して片方のお尻を浮かせる方法。約15分に1回のペースで行うことで、臀部にかかる体圧・ズレ力を減らすことができ、褥瘡の予防となる。

つい最近まで、寝返りができない方に対しては2時間ごとの体位変換を行うことが必要とされてきました。しかし夜中にも2時間毎に体位変換を行う場合、介助者の睡眠は中断されます。体圧分散寝具とクッションを適正に使用している場合は、体位変換時間を2時間ごとより延長できるとも考えられてきましたが、6時間以上、全く体位を変換しないことには危険が伴うと考えられます。その解決方法として「自動体位交換機能」を備えた体圧分散寝具を選択することで、夜間の体位変換の問題は大きく改善できると考えられます。

自動体位変換機能

また、自動体位変換機能に類似した方法に、スモールシフト法(スモールチェンジ法・小枕法)という手法があります。この方法は体圧分散寝具とベッドの間に小枕(折りたたんだバスタオルなど)を挿入し、さらにこの小枕の挿入位置を移動させることで、大きな体位変換を行わなくとも体圧分散が可能になる方法です。北欧で行われている方法を田中マキ子先生らが本邦に紹介し、広まりつつあります。多くのクッションを使用してポジショニングを行っている場合への小枕法の併用は、体位変換の時短になり有用です。実際には枕ではなく、滑りのよいレジ袋などにバスタオルを1~2枚入れて適当な大きさの小枕をつくり、使用します。斜めに挿入すると滑らせて挿入しやすい一方、滑って出てくることがないようです。

寝たきりの方や麻痺のある方はオムツをしている方が多いです。オムツの中の皮膚は、常に汗、尿や便で汚染されやすい状況にあります。皮膚が汗や尿により湿った状態でいると、皮膚がふやけてきて脆弱(ぜいじゃく)になります。摩擦も大きくなるので皮膚にズレ力が発生しやすくなり褥瘡の原因となります。便はアルカリ性の傾向が強く、消化酵素も含んでいます。皮膚は弱酸性ですので、アルカリ性の便が皮膚についていると皮膚のバリア機能は破綻し、皮膚炎を引き起こすことがあります。また便中の細菌は褥瘡の治癒を妨げます。したがって、尿や便が皮膚に長時間接触しないようにすることが大切です。

まず、吸収力の高い紙オムツの使用が必要です。次に便や尿の失禁があった場合は速やかに石鹸とお湯で洗い流す洗浄処置をしなければいけません。この際、皮膚を擦らないようにすることが重要です。十分量の泡石鹸を20~30秒皮膚に置いて優しく洗い流すことが大切です。洗浄後は皮膚保護のためのスキンケア用品や撥水効果のあるクリームを十分に塗布する必要があります。このようにオムツ内の皮膚をきれいに保ち保湿を行うことを、褥瘡におけるスキンケアといいます。

下痢便による肛門周囲のただれ

▲下痢便による肛門周囲のただれ。褥瘡の原因となったり褥瘡と間違われたりすることもある

下痢便による肛門周囲のただれの予防

▲十分な量の泡石鹸を使用することがポイントとなる

オムツの種類はさまざまですが、適切なサイズを選択することが重要です。加えて便の状態や尿量に適したオムツを選択しなければいけません。便などがオムツから漏れてくるとの理由でオムツを重ねて使用している方もおられますが、オムツの厚みやしわ・ギャザーなどが褥瘡の原因となることも多いので注意が必要です。

褥瘡の治療は主に3つに分けられます。予防・対策を行った後、下記の順で行うことが一般的です。

  1. 保存的治療(ぬり薬やドレッシング材による治療)
  2. 物理療法(陰圧閉鎖療法、電気刺激療法など)
  3. 外科的療法(手術)

外用剤(ぬり薬)や創傷被覆材(ドレッシング材)を用いた治療方法です。

褥瘡は治りにくい傷ですが、褥瘡の原因が取り除かれれば(予防ができていて全身状態が改善していれば)、普通の傷と同じ傷の仲間となり治癒が可能になります。

褥瘡の状態によって使用する薬剤は大きく4つに分けられます。すなわち、壊死組織を取り除く効果のあるもの、滲出液を吸収し感染を予防するもの、肉芽組織の形成を促進するもの、皮膚形成を促進するものです。同じ薬効(種類)のものでも、薬剤が油脂性か水溶性かによって効果は異なります。褥瘡が乾燥傾向か浸軟傾向かによって使い分けていきます。

また褥瘡部を適度な湿潤環境にするために、創傷被覆材(ドレッシング材)という創を覆う医療用材料を選択することもあります。創傷治癒過程が順調に進むには、褥瘡面が乾燥していても、滲出液で濡れていてもよくありません。軟膏同様、褥瘡の状態や滲出液量によって、多数ある創傷被覆材の中から選択します。抗菌作用のある銀を含有したものや、ゲル状のものなど特殊なものもあります。また創傷被覆材に使用されているテープは、肌に優しいので、脆弱な皮膚の方には積極的に使用します。外用剤を用いるか創傷被覆材を用いるかは滲出液のコントロール、処置時の疼痛、創部観察の頻度、皮膚の脆弱性などにより決定されます。

▲創傷被覆材(ドレッシング材)の例

生体に物理的刺激を与えることで壊死組織の除去、感染対策、創の収縮(縮小)を図る治療法です。水治療法・パルス洗浄・吸引療法、電気刺激療法、超音波療法、陰圧閉鎖療法などの物理的療法が行われています。

陰圧閉鎖療法(NPWT)は、一般的に行われている治療方法です。特殊なスポンジを褥瘡に密着させた後フィルム被覆材で密封閉鎖し、スポンジに通常-125mmHgの陰圧をかけて、余分な滲出液を吸い取り、毛細血管の新生を促進し健康な肉芽組織を盛り上げることで治療を行います。使用期間が限られていることから、陰圧閉鎖療法のみで完治を目指すことは稀と考えられます。

▲NPWTにより治癒した例

壊死組織や感染している組織を取り除くことをデブリドメン(debridment)といいます。壊死組織があると肉芽組織が形成されず、治癒が遷延します。また重症感染症を予防するためには感染源となる壊死組織を完全に取り除き、十分に洗浄することが重要です。

壊死組織除去に何を用いるかによって、デブリドメンはいくつかに分けられます。メスやハサミを用いる外科的デブリドメン、薬剤で行う化学的デブリドメン、医療用マゴットに壊死組織を食べさせる生物学的デブリドメン、ガーゼや水を用いる物理的デブリドメンなどがあります。また創傷被覆材を貼付して自己融解を図る方法も頻用されています。

多くの場合は、褥瘡の状態を良好に保つために痛みや出血を伴わない低侵襲処置として定期的に行われます(メンテナンスデブリドメンと呼ばれます)。臨界的定着という治りそうで治らない停滞期の褥瘡では、壊死組織だけでなく感染が疑われている創面の組織も切除します。このようにデブリドメンの多くは、ベッドサイドや外来診察室で行われています。壊死組織が広範囲で深部に至る場合や、大血管や神経など重要組織が近い場合には、手術室で全身麻酔下にデブリドメンを行うことがあります。褥瘡発生後の間もない時期には、壊死組織と健常組織の境界が不明瞭であるためデブリドメンは行われません。その場合は、壊死組織や膿が体内に貯留せずに排出されやすい経路をつくるために皮膚を壊死組織の深さまで切開して排膿されやすくする切開排膿(せっかいはいのう)という処置を行います。壊死組織がおおむね取り除かれていて、褥瘡全体が空気に触れる状態になれば、褥瘡が原因で熱が出ることはないと考えられます。

外科的デブリドメンは医療行為であり、原則医師のみが行える処置でした。しかし、厚労省は在宅の現場でタイムリーにデブリドメンが行えるような環境づくりに取り組みました。2016年より厚労省が指定した機関で研修した看護師は医師の作成した手順書に沿ってデブリドメンが行えるようになりました。しかし、特定行為指定研修機関はいまだ29都道府県54機関と少なく(2017年8月)、また研修時間も400時間弱と非常に長いため(創傷管理関連)、普及にはまだまだ時間がかかることが予想されます。星総合病院も特定行為指定研修機関となっており、2018年3月までに6人の研修修了者を輩出しています。

褥瘡の外科的療法(再建手術)には皮弁植皮の2つがあります。

再建手術とは、褥瘡によって生じた皮膚軟部組織欠損を、自分の体の他の部分から皮膚(植皮)や皮膚・脂肪・筋膜などで構成される組織(皮弁)を移植する方法です。ぬり薬やドレッシングによる治療に比べて、治癒期間は短いと考えられることから再建術を施行することも検討されます。2000年以前は筋肉がクッションの役割を果たすと考えられて筋皮弁が使用される頻度が高いといえましたが、現在は筋膜皮弁・穿通枝皮弁と呼ばれる筋皮弁より低侵襲な皮弁を用いることが多いと考えられます。また、以前は植皮術では褥瘡が再発すると考えられていましたが、現在は予防が十分であれば植皮手術でも再発を抑制していくことができることがわかっています。

▲植皮術
植皮術(病室での局所麻酔による小さな植皮)
▲植皮術(病室での局所麻酔による小さな植皮)

褥瘡だけでなく、いろいろな場面で患者さんから「手術しないと治りませんか?」と聞かれることがあります。一般的に手術とは、薬では治らない場合に行うある意味最終的な治療手段と捉えられているのではないでしょうか。褥瘡の治療における「手術」もつい最近までそのような位置づけだったと考えられ、骨が出ているので手術しないと治らないとも捉えられていたといえます。しかし日本褥瘡学会創立準備期間から褥瘡の研究は進歩し、2002年以降、褥瘡教育の啓蒙の広がりとともに本邦における褥瘡の予防は進歩しました。褥瘡の予防が進歩したことに伴って治療法も進歩しました。

また褥瘡の治療は予防の上に成り立っています。予防をしなければ、褥瘡の中にも褥瘡が発生します(DinDと呼ばれています)。褥瘡の原因を取り除かなければ、すなわち予防しなければ褥瘡は悪化します。いいかえれば「褥瘡が悪化する」ということは褥瘡予防をしていないということになります。前述のように褥瘡の皮膚が赤紫色から黒くなることは悪化ではなく予測通りに起きた変化です。褥瘡の予防については後述します。褥瘡の予防がしっかりできていないと、治療経過が芳しくない原因がわかりにくくなります。治療法が良くないから治らないのか、予防法が悪いために治らないのか判断できないのです。栄養状態、糖尿病腎不全膠原病心不全による浮腫などの全身的要因に問題がなければ、予防をしっかりと行うことで、多くの褥瘡は改善し、時間はかかりますが治癒していきます。一方、たとえ皮膚移植手術によって褥瘡が治癒しても、褥瘡の予防をしっかりと行っていなければ、移植した皮膚に再び褥瘡が発生すると考えられます。

したがって私は、褥瘡の手術はあくまでも治療の期間を短くするための方法という位置づけと捉えています。

ここまで、褥瘡の原因・概要・予防法・外科的治療について解説しました。

在宅における褥瘡の予防や看護は、これまでにご紹介してきた医療機関で行われる方法と基本的な考え方に変わりはありません。褥瘡は発生してから予防を始めるのではなく、褥瘡ができる前からその予防を行うことが大切です。すなわち、患者さんがトイレに1人ではいけなくなった場合や、1日のうちでベッドの上にいる時間が大半を占めるようになった場合は、褥瘡予防を開始すべきと考えられます。しかしこのことは一般の方々にはあまり知られていないように感じます。初めての介護の場合は、患者さんのご家族は、介護保険のシステムや訪問看護など知らないことが多いときに、どこで何を聞けばよいのか、何を依頼すればよいのかもわからないこともあると考えられます。

一方、介護認定を受けてケアマネージャーや訪問看護師が介入している場合は、体圧分散寝具をリースで使用するなど褥瘡対策が取られていることも多いのですが、そのような場合でも褥瘡予防のクッションは高価であるため購入はお願いしにくいこともあるようで、またお願いしても準備していただけないなど、十分な予防がなされないこともあるようです。

このように、在宅の現場ではイニシアチブ(治療の方針を決めていく主導権)を誰が取って、いつから褥瘡予防を始めるかが第一の問題点かもしれません。

体圧分散寝具やクッションを準備でき、訪問看護師に処置をしてもらい褥瘡の知識も広がった後には、第二の問題点が出てきます。日中は、病院や施設で2人で行っているさまざまな処置を、夜間は自宅で通常1人で行わなければならないという大変さがあります。特にクッションを複数個使用するようなポジショニング設定には時間がかかり、大変な負担になります。もし褥瘡が治癒したとしても褥瘡になるリスクを持っている以上、褥瘡予防は永続的に続けていかなければなりません。多くの方は褥瘡が治ってしまえば、クッションなどを用いた予防を中止してしまいがちですが、それでは褥瘡が再発してしまう可能性を高めてしまいます。褥瘡の予防を永続的に続けていくには、個々のケースに応じた必要最低限の予防方法は何か、それはご家族が続けられる予防方法かということを十分に検討した上でご家族にご理解いただくことが重要なのです。

褥瘡予防

 スキンケアの一環として褥瘡があっても入浴を推奨しています。とても気持ちよさそうな表情をされる患者さんが多いです。

② 入浴できない方には、入浴剤を使用した足浴を行います。20分程度でうっすらと汗をかいてくることから全身の血液循環が改善していることがうかがえます。

 口腔ケアを行います。義歯が合わないことで食欲が低下して栄養障害を来した例もあります。

④~⑤ 拘縮がある例やすでに褥瘡が発生している例では、クッションの利用が必要です。どこにどのようにクッションを入れるかを検討し決定します。そしてその方法が再現できるように写真を撮って解説し情報を共有していきます。

 入院時の経過やわかったことを写真付きのレポートとしてご家族や介護者、施設などへ渡して当院の方針を示すとともに情報を共有します。

当院では、2002年10月から毎週金曜日に形成外科医、WOC認定看護師、看護師、管理栄養士、リハビリスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)による「褥瘡回診」を始めました。初期の褥瘡回診では、スキンケア(臀部洗浄方法)の統一とOHスケールの周知、体圧分散寝具の選択が正しくなされているかを主眼としていました。以前は今ほど褥瘡についてわからなかった時代でしたが、2008年までの6年間に300回余の褥瘡回診を行い、延べ6,000名の褥瘡患者さん(うち新患患者さんは1,200名)を診察するという経験を経て(2018年2月時点)、大学病院で診てきた褥瘡の患者さんとは大きく異なる患者さんを、褥瘡回診で診察してきました。大学病院の形成外科に紹介されてくる患者さんは、手術を前提に来院される方がほとんどです。つまり患者さんは、手術を希望されていますし、全身麻酔が可能と主治医が判断した患者さん、すなわち元気な患者さんが多かったのです。一方、褥瘡回診で診察した患者さんのうちで手術が適応で希望される方は約1%でした。手術しなければ治らないだろうなと考えていた褥瘡も全身状態が悪く麻酔が適応とならない、あるいはご家族が手術を希望されないなどの理由で、長期間の保存的軟膏治療を行うこともありました。しかし、手術をしないと治らないと当時は考えられていた骨が露出した褥瘡や、巨大なポケットのある褥瘡が手術なしに治ることもあります。また、褥瘡の閉鎖に分層植皮を行ってもうまくいかないと当時は考えられていたのですが、短時間の侵襲の少ない手術でも十分な効果が得られて褥瘡の再発もみないことなどそれまでの褥瘡の常識を覆す経験を数多くできたことで私自身の考え方も大きく変化しました。そしてこの6年間の経験を院内だけにとどまらず地域にも役立てることはできないものかと考えるようになっていきました。

その頃ころ、褥瘡ドックを始めようと強く感じたきっかけとなる患者さんのご家族に出会いました。

褥瘡の患者さんは90歳を超えた女性でした。その方の介護にあたっていたのは70歳代の娘さんでした。初めは姉妹かなと思った親子でした。患者さんは褥瘡の治療のため1か月間入院いただくことになりました。そして退院時、患者さんを迎えにいらっしゃった娘さんは「1か月間夏休みをいただいたようでした。すっかり疲れが取れて生きる気力が湧いてきました。明日からまた母の介護ができそうです」と話されました。娘さんは3年半にも及ぶ介護に疲れ果てており、一時は生きていることが辛いとも考えておられたそうです。その娘さんのお話を聞いて私は「褥瘡治療のための入院は、患者さんのためだけではなく、介護にあたるご家族のリフレッシュにもなるのだ」ということを実感しました。その後、1か月という期間はとても意味のある期間であると認識したのです。1か月間では褥瘡は治りませんが、何が原因で褥瘡治療が停滞していたのか、予防や治療に足りなかったことは何か、ということを考えるには十分な時間でした。褥瘡予防に熱心な病棟師長の協力も得られて、当院で「褥瘡ドック」を立ち上げるに至ったのです。ただし、褥瘡ドックは看取りの患者さんを診ることが目的ではありません。そのため対象は、終末期でないある程度元気な患者さんとさせていただきました。

前述した通り、1か月で褥瘡は治りませんが、なかなか治らない褥瘡の原因がどこにあるのかは、1か月間患者さんを観察していると見えてきます。ただし、心不全糖尿病などがコントロールされておらず、形成外科単独で診ることの困難な患者さんは褥瘡ドックでは診療せず、ほかの診療科とともに診療していく「兼科」という形で関わります。ですから褥瘡はあるが、ある程度健康な在宅の患者さんを対象としました。そしてご本人やご家族が褥瘡の治癒を強く希望されていてクッションや保湿剤など健康保険外の必要な物品の購入の協力が得られることも条件になります。形成外科外来での診察時にご家族から患者さんへの思いが全く感じられない場合も永続的な予防かなわない場合もありますので対象外と判断しました。このようにして褥瘡ドックの対象となった患者さには1か月間入院中に、褥瘡の原因の評価、問題点の抽出、対策の立案をして、治癒への軌道に乗せることを目標に褥瘡ドックを行いました。

① 褥瘡の状態や褥瘡の原因を把握し、DESIGN-R、OHスケールで客観的に評価する

② 患者さんに適した体圧分散寝具を選択し、使用して問題がないか確認する

③ 仰臥位と座位時(ベッド上・車いす)のポジショニングを検討し決定する

④ 全身麻酔検査を行い合併症の有無や栄養状態・全身状態を把握する

⑤ 利用できる介護保険やサービスを点検する。要介護度は現在の状態に即したものに変更・申請する。自宅で体圧分散寝具を用いていなかった場合は、退院時までにリースなどで準備する。

⑥ 介護者に褥瘡の原因を説明し、理解していただく。予防方法はご家族が1人でできる方法を立案する。立案した方法をご家族へ説明し納得し同意していただき病院で実践練習をしていただく。ポジショニングと小枕法、圧抜きについて理解していただく。

⑦ 保存的治療と手術療法の得失を説明し治療方法をご本人とご家族に選択していただく。治癒困難な場合はできるだけ悪化しないように、褥瘡で苦しまないような処置方法を提案する。

浅い仙骨部の褥瘡にもかかわらず4か月以上治らないという患者さんでは、診察してみると褥瘡の部位は仙骨ではなく尾骨部だったこともあります。つまり寝ているときに発生したのではなく、車いすに座っている時に発生した褥瘡でした。こうしたケースでは、当院にいらっしゃるまでは、寝ているとき(仰臥位)にクッションを入れるなどの対策をとるのみで、座位での対策は行わなかった可能性が考えられます。つまり、車いすのクッションや車いすでの姿勢を改善することがこの患者さんにとって最も重要な予防だったと予想できますが、そのことに気が付かなかったと考えられます。またプッシュアップはできない方でしたので、プッシュアップの援助を行いました。クッション・ポジショニング、尻抜きなどを徹底して行ったところ褥瘡ドックを行う間に治癒することができ、褥瘡ドックの大切さを確認できることもありました。

①褥瘡ドックの期間

当院の褥瘡ドックでは「約1か月間」を目安としています。以前、1か月の予定で入院したのですが、手術に切り替えたため結果的に3か月間入院された患者さんがいらっしゃいました。褥瘡手術は入院後1か月後に褥瘡状態が改善してから行いました。術後の経過も順調で退院日を相談していたのですが、そのときにご家族から「家では介護が難しいので、母(患者さん)は施設に入ってもらうことをきめた」と話されることがありました。介護者の方は、3か月間介護から離れると介護を行う生活に戻ることが困難になることがあります。こうした経験から褥瘡ドックの期間は「約1か月間」にしようと考えました。

②他の医療機関との「褥瘡への対応方法」の共有

近くの病院から褥瘡ドックで紹介入院になった患者さんがいました。その患者さんは予定通り1か月間の入院中に予防法や治療法を立案し褥瘡を治療していきました。いつものように、それらの内容を写真とともにレポートとして作成し退院時にお渡ししてもとの病院に転院されたところ、転院先で、当院のやり方を他の入院患者さんにも実践していただいたことで、その後その病院での褥瘡発生を少なくすることに役立ったというお話を聞きました。こうしたことは「地域連携」の力だと感じました。私たちはこのように褥瘡に対するよりよい処置について、地域で共有していくことを目指さなければと思いました。

褥瘡への対応方法

一方で、医療機関を移動することで褥瘡に対する処置が変わってしまい、再び褥瘡ができてしまうこともあります。たとえば、褥瘡ドックで治癒してもとの施設へ退院した方が、半年後にさらに別の施設へと転々としているうちに、当院初診時とほぼ同じ部位に褥瘡ができ、再度当院へ紹介されることもあると考えられます。いくつかの医療機関への入退院を繰り返すうちに、褥瘡の予防のために用意したクッションはなくなり、どこにクッションを当てるかを説明した写真やレポートを用意していたとしても、その対処は続けられていないと考えられることもあります。

▲左の状態で自宅から当院へ入院された患者さんは、95日間の入院で右の状態となり施設へ転院しました。その際クッションをどこに使用するかなどを申し送りました。 

床ずれの症状

▲車いすでの座位時やギャッジアップ時には尾骨に力がかかり、仰臥位時には右仙腸関節部に力が加わることがわかっていたものの、再発がみられた例

褥瘡医療はここ20年で急激に進歩して円座の使用や2時間ごとの体位変換が褥瘡予防に有用など、以前の常識も否定され大きく変化してきました。以前の褥瘡の知識で褥瘡医療に携わっている医療従事者は少なくなったかもしれませんが、残念ながら近年の褥瘡予防の実際が医療・介護の現場に十分に浸透し、実践されているとはいえないとも考えられます。褥瘡発生のリスクがあるかをまず評価してリスクのある方に対しては、褥瘡が発生する前から予防を行うことがとても重要です。対策をとったとしても不幸にして褥瘡が発生した場合は、予防を実践した上で治療にあたります。そして褥瘡が治ったあとも継続して褥瘡の予防をし続けることが必要です。しかし、体圧分散寝具やクッションなどの資源が不足していると、褥瘡を有する患者さんへの対応を手厚くするために褥瘡が治癒した患者さんの対応が手薄になりがちです。その結果、時間をかけて治癒したのにもかかわらずあっという間に再発することが起きてしまうことがあります。1つの病院だけで褥瘡予防や教育を行って成果を上げても同じ医療圏の褥瘡の予防治療水準を上げなければ、治癒した褥瘡も再発して元の状態に逆戻りしてまいます。地域連携とは、単なる患者さんの紹介による移動ではなく褥瘡予防の水準が同じになるように知識や技術を啓蒙し伝えていくこと、すなわち教育の連携ではないかと考えています。こうした地域連携が生まれるようこれからも取り組みを続けていきたいと考えています。
 

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