エリスロマイシン長期療法が生み出されるまでの、並々ならぬ研究や苦労について「記事4:びまん性汎細気管支炎とエリスロマイシン」でお伝えしました。ここでは引き続き、現在の治療法と今後の展開について公益財団法人結核予防会 理事長の工藤翔二先生にお話を伺いました。
気道分泌液の95%は水ですが、その水分泌が抑えられるので痰の量が顕著に減少します。
好中球の炎症部位への浸潤の抑制や活性酸素(周囲の物質を酸化させる酸素)の産生を抑制します
2000年には世界的にもびまん性汎細気管支炎に対するエリスロマイシン療法が認知され、世界でも嚢胞性線維症などにエリスロマイシン療法(マクロライド系)が行われるようになりました。最初はエリスロマイシンを投与し、無効である場合には、ロキシスロマイシン・クラリスロマイシンなど14員環系マクロライド療法を行います。また、15員環系マクロライドも同じ作用があることがわかっています。エリスロマイシン療法も発展し、欧米でも関心をもって積極的に治療に使ってくれています。
最近では、びまん性汎細気管支炎や嚢胞性線維症のような希少疾患だけではなく、COPDの急性増悪の抑制や重症肺炎、インフルエンザへなどにおいても臨床応用され、基本的には抗炎症作用を目的として研究されています。
マクロライド療法の研究と普及の推進にあたり、1994年に設立された「マクロライド新作用研究会」が大きな支えでした。この「マクロライド新作用研究会」をサポートし続けて下さっているのが、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生です。大村先生はマクロライド研究の世界的な大家であり、最初の研究会は大村先生と相談してスタートし、今日まで約30年間も続いています。
エリスロマイシン・マクロライド療法はこのように皆さんの多大なる協力・共同作業のもと、日本から世界に向けて発信し続けてきた領域です。日本で生まれたこの研究を世界に発信し続けていくとともに、その発展に尽力したいと思っています。
関連の医療相談が4件あります
びまん性汎細気管支炎治療中の喉の痛みについて
びまん性汎細気管支炎で、3.4年前から治療中だが、2週間ぐらい前に、仕事でほこりやカビに接することがあり、のどが痛くなり声枯れが出た。(はっきりとした原因は不明だが) 主治医に聞いたが薬をしっかりやるようにと言われた。息苦しさやだるさなど症状があるので、何か感染したのか・・・よく分かりません。どんな原因が考えられますか?このまま放って様子を見ていても大丈夫なのでしょうか?
咳と緑の痰
2週間位前から痰が絡むような咳が出ます。実際緑の痰が1日1回位でます。最初は頭痛もしましたが頭痛は2日くらいでおさまりました。あと声もおかしかったですがこれも4、5日でおさまりました。だんだん咳もおさまってきていますが突然むせるように出ます。風邪かと思い受診してませんでしたがちょっと長いのかなと心配になり受診すべきか悩みます。でも少しずつよくなってきてるし大したことないと言えばそうなので今更な気もするのでもう少し様子みるべきかと思ったりします
1週間ちょっと続く咳
胸が痛くなり始め痰が緑色になり固まった感じの緑色のたんです。 昨日わ息を吸うだけで咳が出ました今わ少し良くなりましたけど咳わ出て痰もでます
レントゲンに映った『粒状陰影』は何でしょうか
5月に会社の健康診断でレントゲンを撮りました。1ヶ月後に結果が配布され、右肺に粒状陰影がうつっていたとの事で、医療機関を受診するよう指導を受けました。 健康診断から結果を受けとった1ヶ月の間に風邪の様な症状で体調をくずし、そのレントゲン画像も持参して内科を受診したところ、肺炎を発症していました。ですので、健康診断で映った粒状陰影よりも肺炎が取り上げられ、粒状陰影が何だったかをしっかり聞けていません。 肺炎は、ジスロマックで治りました。1週間後のレントゲンには肺炎はなくなっており、粒状陰影もなくなっていました。 気管支炎だった、との説明だったように思うのですが、私の中でハッキリ聞けておらず、教えて頂きたく投稿させていただきました。 肺に映った粒状陰影は、気管支炎である、で間違いないでしょうか。 CTも撮りましたが、癌などでは無いとの事でした。 宜しくおねがいいたします。
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