前の記事「副甲状腺機能亢進症の症状-気づかずに過ごしている人も少なくない」で、副甲状腺機能亢進症は、健康診断や他の病気の検診などで偶然発見されることがほとんどであるとご説明しました。副甲状腺機能亢進症は、血液検査によって血液中の副甲状腺ホルモンやカルシウムの値が高い場合に診断されます。本記事では、副甲状腺機能亢進症の検査と鑑別(見分けること)すべき疾患について、名古屋第二赤十字病院 内分泌外科部長 冨永芳博先生にお話しいただきました。
そのほか、超音波検査、MIBIシンチグラムなどの画像診断によって副甲状腺の腫大や位置を確認します。また後述するように(参考記事「副甲状腺機能亢進症の治療-病態によって手術と薬物が選択される」)、腺腫であるか多発性内分泌腫瘍症(MEN)であるかによって手術の術式がかわるため、術前に鑑別が必要です。
記事3「副甲状腺機能亢進症の症状-気づかずに過ごしている人も少なくない」でも述べたとおり、原発性副甲状腺機能亢進症では、過剰に骨からカルシウムが溶け出すため、骨のカルシウムが減少して骨粗しょう症を引き起こすことがあります。アルカリホスファターゼ(ALP)、骨型ALP、オステオカルシン値などの骨代謝マーカー(骨の状態を評価するために用いられる血中や尿中から測定できる物質)などの値や骨量を検査することもあります。
多くの場合、副甲状腺ホルモン値とカルシウム値が高値であることで、原発性副甲状腺機能亢進症と診断ができますが、次の2つは鑑別が難しい病気です。
遺伝性のカルシウム受容体異常の病気です。受容体の異常により、尿中のカルシウムが低くなり血液中のカルシウム値が上がってしまう病気です。自覚症状はありません。副甲状腺ホルモンの値が高い場合もあるため、鑑別が難しいことが少なくありません。ただし、Cca/Ccrという数値が0.01以下であることで鑑別ができることがあります。
通常、副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンもカルシウムも高値ですが、この病気は、カルシウム値は正常にもかかわらず副甲状腺ホルモンが高値になる病気です。副甲状腺ホルモンが高値であるため、副甲状腺機能亢進症の早期の病態あるいは病気のひとつとの考え方があり、まだ明らかではありません。
【冨永芳博先生の著書】
名古屋第二赤十字病院 内分泌外科部長
関連の医療相談が11件あります
8年前に手術経験者です。
副甲状腺機能充進症で4つある1つを削除し 現在3つで生存しています、 残された3つ 再発する可能性ありますか? 術後はカルシウムの検査していません 症状が酷かった時期に身体が最近にています。
健康診断で血圧が
昨日健康診断を受けて、血圧をはかったら上が150で下が88でした。昨年は上が110で下が85ぐらいだったのにいきなり上がり出して怖いです。何か病気のサインでしょうか?自分では疲れやすいぐらいで前とあまり変わらないと思うのですが?病院に行った方が良いですか?ちなみに143cm体重79キロです。体重落とさないと駄目ですよね?塩辛いおつまみやお酒、スナック菓子大好きです。これはやめないとまずいですね。
動悸、息苦しさ
心臓の動悸と息苦しさが気になっています。朝起床時、日中、問わず症状が表れ、時折ドクンと鼓動を感じることがあります。循環器内科で心電図をとってもらいましたが異常は見当たらず、現在特に治療は行なっていません。喉に違和感があり、話す時声が震えているような感覚があります。いつからか忘れてしまうくらい前から症状がありこのまま放置しても問題ないものか気にかかっています。
生理後の体調不良について
更年期障害の治療を受けています。(ホルモン量の検査を行い、漢方服用中。) ここ2~3か月は、生理が終わった後2~3日すると、強い倦怠感と眠気で起き上がれない日があります。 今までは、生理後が一番体調のよいときだったのですが、身体が変化しているような気がします。(血液検査の結果、貧血ではない) これも更年期障害の症状の一つでしょうか?
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