副甲状腺機能亢進症は、自覚症状があらわれにくく、病気に気づかずに生活している方も少なくないといいます。ではどのような契機で、副甲状腺機能亢進症と気付くのでしょうか。名古屋第二赤十字病院 内分泌外科部長 冨永芳博先生にお話しいただきました。
副甲状腺機能亢進症は記事1「副甲状腺機能亢進症とは-副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気」でも述べた通りです。
骨の量が減り、骨が弱くなって関節痛や腰痛を起こします。また、骨痛や骨変形や病的骨折などを起こしやすくなります。しかし現在は早い段階で見つかることがほとんどで、骨変形や病的骨折まで進行することはほとんどありません。また過剰に骨からカルシウムが溶け出すため、骨のカルシウムが減少して、骨粗しょう症を引き起こすことがあります。
尿路結石(腎臓から尿道までの尿路に結晶の石が生じる病気)ができたり、腎機能障害が起こります。腎尿路結石は、尿路結石を頻回起こす方の50人に1人といわれています。
症状があらわれず、副甲状腺機能亢進症と気づかずに過ごしている方も少なくありません。しかし詳細な問診により、次のような症状が明らかになる場合もあります。
これらの症状は、副甲状腺機能亢進症であると予想することが難しく、多くの場合、内科や精神科、消化器科などを受診してしまいます。また、医師もこれらの症状から副甲状腺機能亢進症と気づくことが難しい場合が少なくありません。
副甲状腺機能亢進症はカルシウムや副甲状腺ホルモンが高くなるため、次のような症状があらわれることがあります。
また、体内のカルシウム値は8.4~10.2mg/dlは基準値ですが、20 mg/dlを超える場合は高カルシウム血症クライシスという命に関わる状態を呈する場合があります。二次性(続発性)副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺ホルモンを指標とした場合、原発性副甲状腺機能亢進症よりも数値が高く、症状も強くあらわれることがあります。
健康診断や他の病気の検診などで血液検査を行いカルシウム値やALP値が高値であると判明することで気づかれることがほとんどです
先述したとおり、副甲状腺機能亢進症であると思って受診する方はほとんどいません。繰り返しになりますが、消化器症状や精神症状では副甲状腺に異常があると考えつくことが難しく、またALPは肝臓に異常がある場合に高値になるため、ほとんどの医師が肝臓の異常であると判断してしまうこともあります。医師だけでなく、患者さん本人も想像することができない病気ですので、実際に得られている数字よりももっと多くの方が副甲状腺機能亢進症を患っている可能性があるといえるのです。
【冨永芳博先生の著書】
名古屋第二赤十字病院 内分泌外科部長
関連の医療相談が11件あります
8年前に手術経験者です。
副甲状腺機能充進症で4つある1つを削除し 現在3つで生存しています、 残された3つ 再発する可能性ありますか? 術後はカルシウムの検査していません 症状が酷かった時期に身体が最近にています。
健康診断で血圧が
昨日健康診断を受けて、血圧をはかったら上が150で下が88でした。昨年は上が110で下が85ぐらいだったのにいきなり上がり出して怖いです。何か病気のサインでしょうか?自分では疲れやすいぐらいで前とあまり変わらないと思うのですが?病院に行った方が良いですか?ちなみに143cm体重79キロです。体重落とさないと駄目ですよね?塩辛いおつまみやお酒、スナック菓子大好きです。これはやめないとまずいですね。
動悸、息苦しさ
心臓の動悸と息苦しさが気になっています。朝起床時、日中、問わず症状が表れ、時折ドクンと鼓動を感じることがあります。循環器内科で心電図をとってもらいましたが異常は見当たらず、現在特に治療は行なっていません。喉に違和感があり、話す時声が震えているような感覚があります。いつからか忘れてしまうくらい前から症状がありこのまま放置しても問題ないものか気にかかっています。
生理後の体調不良について
更年期障害の治療を受けています。(ホルモン量の検査を行い、漢方服用中。) ここ2~3か月は、生理が終わった後2~3日すると、強い倦怠感と眠気で起き上がれない日があります。 今までは、生理後が一番体調のよいときだったのですが、身体が変化しているような気がします。(血液検査の結果、貧血ではない) これも更年期障害の症状の一つでしょうか?
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