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こうかるしうむけっしょう

高カルシウム血症

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

高カルシウム血症とは、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまう状態を指します。血液中のカルシウムが多くなると、骨が(もろ)くなったり、腎臓に結石ができたり、心臓や脳、腎臓のはたらきが悪くなる原因となります。

高カルシウム血症は、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)に伴って生じるもの、がんやビタミンDの過剰摂取、薬剤性なども挙げることができます。

高カルシウム血症に関連した自覚症状は、疲れやすい、食欲がないといったのものから、意識消失といった非常に重いものまで幅広く含まれます。治療方法は、原因や症状の現れ方によって異なります。

原因

高カルシウム血症とは、血液中のカルシウム濃度が高くなる病気ですが、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)もしくは、がん、薬剤性の3つが原因として頻度が高いです。

副甲状腺機能亢進症とは、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気ですが、副甲状腺ホルモンはカルシウムバランスにとても重要な役割を果たしています。血液中のカルシウムが下がるような場合には、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨や小腸、腎臓にはたらきかけることでカルシウム濃度を上昇させるようにしています。副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態であり、常時カルシウムが高くなるよう方向づけられています。副甲状腺自体の異常からホルモンが大量につくられていることもありますし、それ以外の臓器が原因となって反応性に副甲状腺ホルモンが過剰につくられることもあります。

がんに関連した高カルシウム血症は、さまざまなメカニズムを挙げることができます。たとえば、乳がん前立腺がん肺がんなどにおいては骨に転移をしやすいことが知られています。骨に転移をきたす過程で骨が破壊され、骨の中に含まれるカルシウムが血液中に放出される結果、高カルシウム血症が生じます。また、がんの中には副甲状腺ホルモンと同じようなはたらきを示すホルモンをつくるがんが存在します。これらには、肺がんや腎細胞がんなどが代表的なものとして知られています。

また、寝たきりの状態も高カルシウム血症の原因となり得ます。寝たきりになると骨に対しての負荷が減少するため、骨が溶けるようになります。その結果、骨の中に存在するカルシウムが血液中に大量放出されることになります。

そのほかにも、ビタミンDやカルシウムの過剰摂取、薬剤、肉芽腫(にくがしゅ)性疾患(サルコイドーシス結核など)、遺伝性疾患(たとえば、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症)、ミルクアルカリ症候群なども高カルシウム血症の原因となります。特に高齢者や腎機能が低下していると、整形外科などから処方されるビタミンD
やカルシウム製剤が効きすぎることによる高カルシウム血症の頻度が高いため、定期的な血液検査によるチェックが重要です。

症状

高カルシウム血症の症状は、初期の段階では特徴的なものではなく、高カルシウム血症を想定しないと見過ごしてしまうことがあります。具体的な症状は、疲れやすさ、倦怠感(けんたいかん)、イライラ感、眠たい、食欲がない、便秘などがあります。高カルシウム血症の程度が強くなると、筋力の低下、多飲・多尿・喉の渇き、吐き気や嘔吐、腹痛などをみるようになります。さらに、情緒不安定からうつ病を疑われることもありますし、妄想、意識消失に至ることもあります。高カルシウム血症に関連して、尿路結石はよくみられる症状のひとつです。

高カルシウム血症と関連して不可逆的な腎機能障害が発症することがありますし、膵炎(すいえん)胃潰瘍(いかいよう)などが生じることもあります。また、不整脈に至ることもあります。

検査・診断

高カルシウム血症の診断は、血液中でカルシウムの濃度が高いことから診断されますが、その後も原因検索を目的して追加の検査が考慮されます。

高カルシウム血症を引き起こすものとして頻度の高いものは、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)です。類似疾患との鑑別も含めて、血液中のリンの測定、副甲状腺ホルモンや尿中カルシウム排泄量、ビタミンDの検索が必要になります。また副甲状腺の異常を確認するために、超音波検査やCTなどの画像検査が追加されることもあります。

そのほか、シンチグラムを用いて、実際に副甲状腺が過剰に活動しているかどうかを確認することもあります。そのほかの原因として、がんに関連した高カルシウム血症も重要になります。副甲状腺ホルモンと類似したホルモンががんからつくられていることもあるため、これを血液検査で確認することもあります。

また、がんの種類に応じて適宜(てきぎ)画像検査や腫瘍(しゅよう)マーカー、病理検査などが検索されます。そのほか、肉芽腫(にくがしゅ)性病変では胸部に異常をきたすことも多いため、スクリーニング的な意味合いで胸部単純レントゲン写真を撮影することもあります。

治療

高カルシウム血症の治療は、カルシウムを下げるための対症療法、原因に応じた根本療法の2つに分類することができます。

対症療法としては、腎臓からのカルシウム排泄を促すために輸液や利尿剤の投与を行います。高カルシウム血症の程度が強い場合や腎機能が低下している場合には、迅速に対応することが必要になるため、透析が行われることもあります。

血液中のカルシウムは、骨から溶け出してきている部分に由来するものもあるため、この作用を抑制する薬が投与されることがあります。そのほか、ステロイドが使用されることもあります。

根本療法としては、高カルシウム血症を引き起こしている病気に対しての治療になります。副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)であれば、副甲状腺に対しての手術が適応になることがあります。がんであれば、がんに応じて手術や化学療法、放射線療法が適宜(てきぎ)選択されることになります。

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