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多発性骨髄腫

多発性骨髄腫
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多発性骨髄腫とは

多発性骨髄腫とは、血液の細胞を作り出す場所である骨髄にリンパ球のひとつであるB細胞(形質細胞)が腫瘍化して異常に増殖する病気で、高齢の男性に特に多いものです。世界保健機関(WHO)の分類では、形質細胞腫瘍のひとつに含まれています。腫瘍細胞が骨髄を占拠する形で増殖するため、正常な血液の細胞の産生ができなくなり、貧血や感染しやすさ(易感染性)、そして出血傾向などのさまざまな症状を来たします。また、腫瘍細胞は骨をとかす細胞を活性化させる分子を放出するため、骨折しやすくなったり頭などの骨の密度が低下したりします。さらに、腫瘍化したB細胞はもともと、抗体という免疫グロブリンを作り出す細胞なので、腫瘍細胞は異常な免疫グロブリンを作り出し続け、その結果、血液の粘性があがって腎機能障害を来すようになります。 この病気は発症してしまうと完治はとても難しい病気であり、根気強く治療を続けていかなければなりません。もともとは平均生存期間は3〜5年といわれてきましたが、現在ではさまざまな治療が登場してきたおかげで、5年生存率は約50%と報告されています。

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生存率について

この病気は発症してしまうと完治はとても難しい病気であり、根気強く治療を続けていかなければなりません。もともとは平均生存期間は3〜5年といわれてきましたが、現在ではさまざまな治療が登場してきたおかげで、生存率は徐々に改善してきています。生存率に影響を与える因子として、年齢や多発性骨髄腫の腫瘍量や染色体異常などが深く関与することも知られています。

第一の因子である年齢をみると、発症年齢65歳を境として生存率は大きく異なります。65歳以下の方の生存率をみると、2000年代以前は5年生存率として10%台であることもありました。しかし2000年度以降に着目すると、治療方法の向上を反映して5年生存率は50%ほどまで改善してきていると報告されています。しかし、66歳以上の方に着目すると依然として治療成績は悪く、5年生存率として10〜30%ほどと報告されています。

その他、多発性骨髄腫では腫瘍量が多いと治療成績が悪いことが知られています。また、骨髄腫細胞の染色体異常のうち17番染色体短腕の欠失(17p-)あるいは4番14番染色体の転座(t(4;14))が認められる場合も予後不良に関係が深いことが示されています。

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原因

骨髄のB細胞の遺伝子または遺伝情報を納めている染色体の異常が原因であることがわかっており、これまでさまざまな遺伝子異常や染色体異常が報告されていますが、いまだにはっきりとした原因はわかっていません。

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症状

多発性骨髄腫では、病初期には骨に関連した症状として発症しますが、病気が進行すると全身に症状が出現するようになります。

初期の症状について

初期症状としては腰痛や背中の痛み、そしておかしな骨折(病的骨折)が多いです。たとえば、ゴルフのスイングをしただけで骨折する、といったようなものです。ゴルフのフルスイングは全身の骨格をフルに使いますが、それでも普通はありえない骨折なのです。このような病的な骨折や腰椎の圧迫骨折などに、実は多発性骨髄腫が隠れていることがあるので注意しなければなりません。

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末期の症状について

腫瘍細胞が増えると、骨を作る細胞(骨芽細胞)の機能が抑制され、逆に骨をとかす細胞(破骨細胞)の機能が活性化するため、全身の骨がとける方向に向かい骨折しやすくなるのと同時に、骨に蓄えられているはずのカルシウムが血液中に増えます(高カルシウム血症)。高カルシウム血症は吐き気や意識障害、腎機能障害、多尿などをきたします。高カルシウム血症は不整脈に関連した危険な症状を引き起こします。また末期の状態では骨の痛みが全身に出現することになります。

病状が進行すると、正常な血液の細胞が減ってくるため、息切れや動悸などの貧血の症状や、感染しやすくなったり、または出血しやすく止血しづらくなったりすることがあります。正常な免疫機能が保てなくなるため、感染症を併発しやすくなり、敗血症を発症し亡くなる方も多いです。

また、腫瘍細胞が作り出す異常な免疫グロブリンが大量に血液中に放出されると血液の粘性が高まり、いわゆる血液ドロドロの状態になるため、頭痛やめまい、さらに腎臓が障害されてむくみや吐き気などの症状が出てくることがあります。病気が進行してしまうと、腎機能が完全に壊れてしまい、最終的には人工透析が必要になってしまうことさえもあります。

さらに、多発性骨髄腫の末期では末梢神経障害としてしびれやぴりぴりした感じを感じることもあります。心アミロイドーシスを発症して、不整脈や心不全から亡くなる方もいらっしゃいます。

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検査

多発性骨髄腫の患者さんは、血液検査で血液中の総タンパク(TP)とアルブミン(ALB)の差が拡大します。血液の電気泳動ではガンマ(γ)グロブリンが増加します。また血液中のカルシウムが高いこと、赤血球およびヘモグロビン、血小板、および白血球の減少がみられます。確定診断には、骨髄生検を行って骨髄のなかに形質細胞が増殖していることを確認します。また、多発性骨髄腫のうち、どの抗体の種類が増えるものかをみるため、血液や尿に出るタンパクの免疫電気泳動を行います。


治療

多発性骨髄腫の治療は、治療を受ける患者さんの全身状態や年齢によって方針が違ってきます。年齢としては「65歳」が一つの区切りになります。

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65歳以下の方への治療(若い方への治療)

多発性骨髄腫では、年齢が65歳以下で肝機能・腎機能・心肺機能に大きな問題のない方のことを「若い方」と考えることがあります。こうした若い方に対して行うのは「造血幹細胞移植」といわれる治療法です。治療の大まかな流れとしては、最初に「寛解導入療法」という治療を行って十分に腫瘍細胞を減らしてから、「自己末梢血幹細胞採取」を行います。これは、のちの造血幹細胞移植に必要な造血幹細胞を集めて保存しておくための治療です。移植に必要な幹細胞がとれたところで、いよいよ「自己末梢血幹細胞移植」を行います。移植は、まず、強力な抗がん剤を用いて残存している骨髄腫細胞を極限まで減らし、次に保存しておいた末梢血幹細胞を輸血と同じように静脈へ点滴にて輸注します。

移植から回復したのちに、「維持療法」あるいは「地固め療法」と「維持療法」を行います。「地固め療法」は寛解導入療法と同等の比較的強力な治療を行い、移植後に残っている骨髄腫細胞をさらに減らす治療です。「維持療法」は、残存している骨髄腫細胞をさらに減らし、再発を抑える治療です。

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高齢者(66歳以上の方)や重い肝機能・腎機能障害がある方への治療

若い方に行われる「造血幹細胞移植」は治療の強度としては比較的高いです。そのため一般的に66歳以上の方や、65歳以下であっても重い肝機能障害・腎機能障害などがある患者さんの場合には造血幹細胞移植に耐えることができないことも懸念されるため、治療強度を軽減した治療方針がとられることになります。具体的には、抗がん剤を複数組み合わせて行う「寛解導入療法」とそれに引き続く「維持療法」によって行います。

寛解導入療法では、ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミド、デキサメサゾン、メルファランなどといった薬剤を組み合わせます。維持療法ではサリドマイドやレナリドミド、ボルテゾミブなどを用いながら、病勢が再び悪化するまで、あるいは1~2年間続けます。

高齢の患者さんでは、個人によって体力が随分異なります。そのため、個人の状態、体力に合わせて抗がん剤の量を調整する必要があります。

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