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多発性骨髄腫
多発性骨髄腫とは、血液のがんの一種で、骨髄(こつずい)のなかの形質細胞(リンパ球の一種)が腫瘍化して異常に増殖する病気です。40歳未満での発症はまれで、やや男性に多いといわれています。 腫...
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血液

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅ

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更新日時: 2018 年 08 月 01 日【更新履歴
更新履歴
2018 年 08 月 01 日
更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

多発性骨髄腫とは、血液のがんの一種で、骨髄(こつずい)のなかの形質細胞(リンパ球の一種)が腫瘍化して異常に増殖する病気です。40歳未満での発症はまれで、やや男性に多いといわれています。

腫瘍細胞が骨髄を占拠するかたちで増殖するため、正常な血液の細胞の生産ができなくなり、貧血や易感染性(感染しやすさ)、出血傾向などのさまざまな症状をきたします。

また、骨髄腫細胞は骨をとかす細胞を活性化させる分子を放出するため、骨折しやすくなったり、頭などの骨の密度が低下したりします。さらに、腫瘍化したリンパ球は、抗体という免疫グロブリンをつくり出し、これが異常に増えることによって血液の粘性があがって腎機能障害をきたすようになります。

 

 

原因

多発性骨髄腫は、血液の細胞を作り出す場所である骨髄のなかのリンパ球のひとつである形質細胞の遺伝子、または遺伝情報を納めている染色体の異常が原因で発症することがわかっています。

しかし、これまでさまざまな遺伝子異常や染色体異常が報告されていますが、いまだにはっきりとした原因はわかっていません(2018年7月時点)。

症状

初期症状としては、腰痛や背中の痛み、そして病的骨折が多いです。

病的骨折とは、たとえば、ゴルフのスイングをしただけで骨折するといったように、通常であれば骨折が起こらないようなことをきっかけに起こる骨折をさします。このような病的な骨折や腰椎(ようつい)の圧迫骨折などに、実は多発性骨髄腫が隠れていることがあります。

骨髄腫細胞が増えると、骨を作る細胞(骨芽細胞)の機能が抑制され、反対に骨をとかす細胞(破骨細胞)の機能が活性化するため、全身の骨が脆くなって骨折しやすくなるのと同時に、骨に蓄えられているはずのカルシウムが血液中に増えます(高カルシウム血症)。高カルシウム血症は吐き気や意識障害、腎機能障害、多尿などをきたします。

さらに、正常な血液の細胞が減ってくるため、息切れや動悸などの貧血の症状がみられたり、感染しやすくなったり、出血しやすいうえに止血しづらくなったりすることがあります。

また、骨髄腫細胞がつくり出す異常な免疫グロブリンが大量に血液中に放出されると血液の粘性が高まり、いわゆる血液がドロドロな状態になるため、頭痛やめまい、さらに腎臓が障害されて、むくみや吐き気などの症状が出てくることがあります。

病気が進行すると腎機能が完全に破壊され、最終的には人工透析が必要になることもあります。

検査・診断

多発性骨髄腫が疑われる場合、まず血液検査を行います。血液検査では、血液中の総タンパク(TP)とアルブミン(ALB)の差を調べます。また、血液の電気泳動でガンマ(γ)グロブリンの増加を確認します。

さらに多発性骨髄腫では、血液中のカルシウムが高くなり、赤血球およびヘモグロビン、血小板、および白血球の減少がみられます。

確定診断には、骨髄検査を行って骨髄のなかに形質細胞が増殖していることを確認します。また、多発性骨髄腫のうち、どの抗体が増えるタイプかをみるため、血液や尿に出るタンパクの免疫電気泳動を行います。

治療

多発性骨髄腫の治療は、治療を受けられる患者さんの全身状態や年齢によって方針が異なります。

一般的に66歳以上の方や65歳以下であっても、重い肝機能障害・腎機能障害などがある場合には、抗がん剤を複数組み合わせて行う寛解導入療法と、それに引き続く維持療法によって治療します。

維持療法は、病勢が再び悪化するまで、あるいは1〜2年間続けます。個人の状態、体力に合わせて抗がん剤の量を調整します。

一方、年齢が65歳以下で肝機能・腎機能・心肺機能に大きな問題のない場合には、造血幹細胞移植を検討します。

治療の大まかな流れとしては、最初に寛解導入療法をおこなって十分に腫瘍細胞を減らしてから、自己末梢血幹細胞採取をおこないます。これは、のちの造血幹細胞移植に必要な幹細胞を集めて保存しておくための治療です。移植に必要な幹細胞が採取できたら、自己末梢血幹細胞移植を行います。

移植では、まず強力な抗がん剤を用いて残存している骨髄腫細胞を極限まで減らし、次に保存しておいた末梢血幹細胞を輸血と同じように静脈へ点滴にて輸注します。移植から回復したのちに、維持療法あるいは地固め療法と維持療法を行います。

地固め療法は、寛解導入療法と同等の比較的強力な治療を行い、移植後に残っている骨髄腫細胞をさらに減らす治療です。維持療法は、残存している骨髄腫細胞をさらに減らし、再発を抑える治療です。

 

 

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