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インタビュー

公開日 : 2015 年 06 月 19 日
更新日 : 2017 年 09 月 28 日

多発性骨髄腫」とは、身体を異物から守る免疫系で重要な役割を担っている「形質細胞」という細胞が「骨髄腫細胞」にがん化してしまい様々な症状を起こす治療の難しい病気です。多発性骨髄腫の第一人者である国立国際医療研究センターの萩原將太郎先生は、「基本的には多発性骨髄腫は完治する病気ではありませんが、上手に病気と付き合って行くことで生活の質を維持することが可能です。“上手に病気とつきあってゆく”ためには、患者さんも正しい知識を身に着けることが大切です。」とおっしゃいます。萩原先生に多発性骨髄腫とはどのような病気なのかについてお聞きしました。

多発性骨髄腫とは?

多発性骨髄腫は、説明が難しい病気です。まずは骨髄腫の元である「形質細胞」について理解することが大切です。形質細胞は免疫系において親玉のような存在であり、「抗体」を作る細胞です。「抗体」は、本来であれば細菌やウイルスなどの外部から入ってきた異物から体を守る役割を果たしています。しかし、多発性骨髄腫においては、この形質細胞が「がん化」して「骨髄腫細胞」というものになってしまいます。そのためにいろいろな症状を起こす病気です。

形質細胞は抗体をつくり、体を異物から守ります

形質細胞は抗体をつくり、体を異物から守ります

本来であれば異物を排除するための抗体をつくる形質細胞ですが、癌化して骨髄腫細胞になると「Mタンパク」という役に立たないタンパク質を作り始めます。逆に正常な抗体が作られなくなるため免疫の機能は弱くなります。このMタンパクが原因となって、多発性骨髄腫による様々な症状が起こります。また、骨髄腫細胞自身も骨髄の中で異常に増殖し、それにより様々な悪さを始めます。

Bリンパ球が骨髄腫細胞に変化してMタンパクをつくります

Bリンパ球が骨髄腫細胞に変化してMタンパクをつくります

多発性骨髄腫は、貧血や腎障害、高カルシウム血症、骨折を含む骨病変などさまざまな症状で発症しますが、これらの症状がなく、M蛋白と骨髄での骨髄腫細胞の増加が見られる「無症候性骨髄腫」として見つかることもあります。また、M蛋白のみが見られ骨髄での骨髄腫細胞の増加がない「MGUS(臨床的意義の不明なM蛋白血症)」という状態も知られています。

MGUSは、実は50歳以上の成人の約1-2%に見られる頻度の高いものです。そのうち年間1%の人が多発性骨髄腫などの病気に進展すると考えられています。

MGUSから多発性骨髄腫などに進展することがあります

MGUSから多発性骨髄腫などに進展することがあります

多発性骨髄腫にかかりやすい年齢と、かかりやすい要因は?

多発性骨髄腫は主に中高齢者に発症する病気ですが、若い人に起きないというわけではなく、少数ですが30代の患者さんもいらっしゃいます。

多発性骨髄腫にかかりやすくなる要因は特にないと考えてよいでしょう。遺伝による影響についても、一部の例外を除いては、基本的に、ほとんどないとされています。

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