インタビュー

網膜剥離の検査

網膜剥離の検査
大路 正人 先生

滋賀医科大学眼科学講座 教授

大路 正人 先生

この記事の最終更新は2016年04月17日です。

網膜剥離の症状を自覚した場合には、すぐに受診することが肝心です。網膜剥離かどうかを確かめるための検査として代表的なものは眼底検査です。このほかにも眼底検査を補う検査としていくつかの検査があります。それぞれの検査の目的と内容について網膜硝子体疾患のスペシャリストである滋賀医科大学眼科学講座教授の大路正人先生にお話をいただきました。

そのために行われるのが眼底検査です。眼底鏡という機械を使い、瞳孔から光を当てて網膜の様子を観察します。その際、網膜をすみずみまでチェックするために、瞳を拡大する目薬を投与します。これを散瞳(さんどう)といいます。目薬の効果は数時間続くので、検査が終わっても薬の効き目がなくなるまでの間は、まぶしかったりピントがぼやけたりするためしばらく車の運転はできません。

硝子体出血などで網膜の状態がよく見えないときは、Bモード法と呼ばれる、眼の断面図を超音波で撮影する方法で眼内の様子を観察し、網膜剥離の有無を調べることもあります。

また、網膜細胞がどの程度傷んでいるかを知るために、電極を埋めた特殊なコンタクトレンズを目の上に乗せ、強い光を目に当てて網膜から出る弱い電流を測定するERG検査もあります。超音波検査と同様に出血などにより眼底が観察できないときに行います。心電図のように電位変化を記録して、その波形から網膜の働きが正常かどうかを調べるものです。暗室のベッドで横になり、点眼麻酔をして、前述のコンタクトレンズを装着します。そして、眼球内の網膜に強いフラッシュを照射すると、網膜と角膜の間にある電位(静止電位)に変化が生じるので、このときの網膜の電位の変化をグラフにします。このグラフを細かく分析すると、網膜自体の機能がよくわかります。波が大きいほど網膜の働きはよいとされています。

これらを補足する検査として、見えない部分の範囲を調べる視野検査があります。現在では、コンピューターにより制御された自動視野計により視野異常を判定します。また、眼圧検査を行うこともあります。網膜剥離が起こると一般的に眼圧が下がることが多く、数値が極端に下がっている場合は網膜剥離を疑います。

また、光視症は必ずしも網膜剥離と結びつくわけではありませんが、やはり受診したほうがよいでしょう。視野欠損はだいたいが端の方から起こります。その後見えない範囲がどんどん真ん中に広がっていきます。ですから視野欠損に気づいたら早急に受診してください。特に中高年の方の場合、数日の間に急速に進行します。網膜の中心にある黄斑にまで剥離が現れた場合、手術をしても視力が戻らなかったり、線がゆがんで見えてしまうことがあります。当院の場合は、網膜剥離で視野欠損が認められた場合、当日もしくは翌日には手術を行っています。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。
この記事は参考になりましたか?
記事内容の修正すべき点を報告
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。

なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。

実績のある医師

周辺で網膜剥離の実績がある医師

昭和大学江東豊洲病院 眼科 准教授・診療課長補佐

こすげ しょうたろう
小菅先生の医療記事

1

内科、アレルギー科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、腫瘍内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科

東京都江東区豊洲5丁目1-38

東京メトロ有楽町線「豊洲」6b出口 徒歩6分、ゆりかもめ「豊洲」南出口 徒歩6分、東京メトロ東西線「東陽町」都営バス 昭和大学江東豊洲病院前下車 徒歩約1分 バス

関連の医療相談が22件あります

※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

「網膜剥離」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

「受診について相談する」とは?

まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

  • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
  • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。

メディカルノートをアプリで使おう

iPhone版

App Storeからダウンロード"
Qr iphone

Android版

Google PLayで手に入れよう
Qr android
Img app