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非結核性抗酸菌症の現状について
非結核性抗酸菌症は世界的に増加傾向にあります。特に、日本やアメリカなど結核が減少しつつある国での増加が注目されています。福岡大学病院呼吸器内科診療教授の藤田昌樹先生に、非結核性抗酸菌症の現状につ...
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非結核性抗酸菌症の現状について

公開日 2016 年 04 月 17 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

非結核性抗酸菌症の現状について
藤田 昌樹 先生

福岡大学病院呼吸器内科 主任教授

藤田 昌樹 先生

非結核性抗酸菌症は世界的に増加傾向にあります。特に、日本やアメリカなど結核が減少しつつある国での増加が注目されています。福岡大学病院呼吸器内科診療教授の藤田昌樹先生に、非結核性抗酸菌症の現状についてお話をうかがいました。

非結核性抗酸菌症の大半を占めるのがMAC症とM.kansasii症

非結核性抗酸菌症とは、結核菌以外の菌の感染によって起こる慢性の呼吸器疾患で、非感染性の抗酸菌感染症です。非結核性の抗酸菌には多くの種類がありますが、日本国内では、MAC症(Mycobacterium avium-intracellular)とM.kansaii症が大半を占めています。その割合は、MAC症が非結核性抗酸菌症のおよそ70%を占めており、続くkansasiiと合わせると全体の90%以上を占めています。

現在、非結核性抗酸菌症の患者数は推定で6500人といわれていますが、結核とは異なり登録制でないため、明確な罹患者数はわかりません。また、難治性の慢性疾患であるため、一度治癒しても数か月、あるいは数年経って再発するケースも少なくありません。その結果、発症者の数は蓄積されていくため、毎年の新規発生者数はさほど多くはないとしても、累積患者数は結核以上ではないかと推定されています。特に最近多くみられるのが、閉経後の女性の発症です。

非結核性抗酸菌症自体は前からある病気で、以前はMAC病といわれていました。先述したように、非結核性抗酸菌症は結核のように伝染性がないため、治療の必要はないと昔は放置されることが多かったのです。不治の病とされていた結核の治療を重視するあまり、どうしても非結核性抗酸菌症は軽視されていた時代があったのです。

地域によって原因菌タイプも異なる

日本ではMAC症が増加傾向にありますが、MAC症にはavium(アビーム)とintracellulare(イントラセルラーレ)のふたつのタイプがあります。それぞれのタイプの割合の比率は、地域によって異なるというのがMAC症の特徴のひとつです。

例えば、東日本の場合はアビームが9割で、イントラセルラーレが1割。他方、西日本の場合、福岡などでは、イントラセルラーレが2割で、アビームが8割、統計によってはともに5割対5割という報告もあります。また、沖縄ではイントラセルラーレの割合が高くなるなど、地域によって原因菌のタイプが変わってくるのもこの疾患の不思議なところです。現在、国内で増加傾向にあるのはアビームです。

世界的にも非結核性抗酸菌症は増加傾向に

結核が多い地域は非結核性抗酸菌症が少ないという傾向は国内に限らず、世界的にみられます。例えば、東南アジアでは非結核性抗酸菌症よりも結核のほうが多いため、結核は厳しくチェックされる一方で、非結核性抗菌症は軽視されているようです。昔の日本と同じ状況にあるというわけです。

日本やアメリカなどでは結核が減少して非結核性抗酸菌症が増加しており、非結核性抗菌症が重視されています。しかし、非結核性抗酸菌症は無症状のことが多く、重症化することも少ないため、診断がついても無治療で経過観察を行うこともしばしばです。この場合には診察は3か月に1度程度きてもらい、悪化したらその段階で治療を行うというケースも多くみられます。

福岡大学病院呼吸器内科 主任教授。肺炎や結核などの呼吸器感染症をはじめ、喘息やアレルギー疾患、移植や間質性肺炎など呼吸器疾患領域全般の診療にあたっている。2000年頃から非結核性抗酸菌症に関心を持ち治療に取り組んできた。非結核性抗酸菌症に対しては、有効な治療法がない中で、疫学的な部分の解明に向けた取り組みを開始すると同時に、新たな治療にむけて、積極的に研究を進めている。

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