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インタビュー

非結核性抗酸菌症の治療について

非結核性抗酸菌症の治療について
藤田 昌樹 先生

福岡大学病院 呼吸器内科 主任教授

藤田 昌樹 先生

非結核性抗酸菌症の治療の中心は薬ですが、薬剤による治癒率は非常に低く再発を繰り返します。福岡大学病院呼吸器内科診療教授の藤田昌樹先生に、非結核性抗酸菌症の治療についてお話をうかがいました。

非結核性抗酸菌症の症状には、咳や痰、血痰や喀血、体重減少や全身倦怠感などがあり、結核と類似していますが、結核と比べると軽症です。

また、自覚症状がないことも多く、住民検診などで異常を指摘されて受診される方や、咳や痰が止まらないということで開業医の先生から紹介されてこられる場合などが多くみられます。

診断は、2007年にアメリカ胸部学会およびアメリカ感染症学会から出された診断基準をもとに、日本結核病学会と日本呼吸器学会が合同で2008年に発表したガイドラインを基準に行います。臨床的基準としては、胸部X線やCTなどの画像診断を行い、画像所見で特徴的な陰影が認められる場合に加えて、細菌学的基準として喀痰検査などから判断されます。鑑別診断で鑑別が必要となる疾患には肺結核肺炎肺がんなどがあります。

現在、非結核性抗酸菌症に対する治療薬で使用されているのは、以下の通りです。

MAC症に対しては

  1. リファンピシン
  2. エタンブトール
  3. クラリスロマイシン
  4. ストレプトマイシン

を併用します。

M.kansasii症に対しては

  1. イソニアチド
  2. リファンピシン
  3. エタンブトール

を併用します。

非結核性抗酸菌症の治療では、マクロライド(クラリスロマイシンあるいはジスロマイシン)とリファンピシン、エタンブトールの三つを組み合わせて行います。治療の中心的な薬は抗菌薬であるクラリスロマイシンのみで、併用している抗結核薬であるリファンピシンとエタンブトールは再発を防ぐ役割しかないともいわれています。

そのため、ある程度病巣が限局されていて症状が強い場合には、外科手術とのコンビネーションが必要であると考えています。非結核性抗酸菌症では、肺の中が空洞化することがあり、空洞化したものについては、薬では治療が困難となります。

というのも、結核や非結核性抗酸菌症などの原因となる抗酸菌は酸素を好む菌で、空洞化して肺の中の酸素量が急激に増えることで、菌も同時に増殖してしまうのです。データでは空洞化していない場合と比べて10倍ほど菌量が増えるともいわれています。

そのため空洞化がみられる症例に対しては、病巣を切除することが効果的と考えます。ただし、現在空洞化に対する手術療法に関しては、医師の中でも温度差があることも事実です。内科と外科の見解のみならず、同じ内科の中でも大きく意見がわかれているという状況です。そのため、おのずと手術を行う施設も限られてきます。

結核薬がなかった終戦前は、結核になると空気のきれいなサナトリウムで、疲労を避け、栄養をつけて、安静を保ちなさい、といわれた時代がありました。抗結核薬ができたのちにレビューしてみると、それらは全く効果がなかったといわれています。その流れで、いまも同じような指導をされていることもあると聞きますが、あまり関係はないでしょう。通常の生活をしてもらい、調子が悪くなったら早めに受診するように促しています。

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