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ニュース

公開日 : 2017 年 12 月 15 日
更新日 : 2017 年 12 月 19 日

グローバル化に従い、今多くの日本人が海外を拠点に活躍しています。世界各国の公館に勤務する「外務省医務官」は、このような在外邦人や邦人渡航者が、大規模災害やテロ事件などに巻き込まれてしまった場合、速やかに駆けつけ、ケアを行なうことを重要なミッションのひとつとしています。また、2001年の9.11同時多発テロ事件発生時には、現地の公的機関が閉鎖されるなどの事態を受け、迅速に対応できる官民連携組織の必要性が叫ばれました。この出来事を機に立ち上げられた組織が、邦人医療支援ネットワーク・JAMSNET(ジャムズネット)です。

2017年10月、世界医師会会長の横倉義武先生、外務省診療所所長・ジャムズネット東京理事の仲本光一先生・ジャムズネット東京理事長の古閑比斗志先生がご対談されました。当日は、世界医師会会長の横倉先生へ仲本先生から外務省医務官の職務紹介、古閑先生からジャムズネットの活動紹介が行われ、その後はグローバルヘルスへの貢献をテーマに闊達な議論が行われました。

世界で活躍する外務省の医師-「医務官」の仕事とは?

100以上の大使館・総領事館で診療や現地医療情報の収集を行なう

横倉先生:今から2年ほど前、ロシアの公館にお伺いした際に、外務省医務官の先生とお話ししたことがあります。仲本先生は、2017年現在外務省診療所所長として、多くの在外医務官を取りまとめるお仕事をされているそうですね。まずは、外務省で働く医師である医務官の仕事について教えてください。

仲本先生:現在100名を越える医務官が、アフリカ地域をはじめとする104の大使館・総領事館に勤務しています。(2017年8月時点)

医務官の基本的な職務は、各国公館で働く館員と、そのご家族の日常診療や保健相談です。重症の場合は、緊急移送のアレンジも我々医務官が行います。

もうひとつ、医務官の重要な職務として、現地の医療情報の収集と報告があります。最近ですと、ジカ熱の情報などを流行国に勤務する医務官が集積し、日本へ報告しています。状況によっては、日本人会などで講演会などをセッティングし、現地邦人へ情報発信を行なうこともあります。

ダッカ襲撃
外務省医務官の役割 資料提供:仲本光一先生

横倉先生:世界医師会・日本医師会では、現在アフリカ地域への医療貢献をひとつの目標に掲げています。たとえば、ザンビアではワクチン接種によるHIVのコントロールに成功し、平均寿命が国単位で大きく延長しました。こういったケースを増やせるよう、支援の手を増やしていきたいと考えているところです。

仲本先生:今、アフリカ地域の34か国で外務省医務官が活躍しています。ぜひ、外務省としても現地の医療情報を提供させていただき、オールジャパンで支援活動に取り組んでいきたいですね。

外務省のWEBサイトでは、2017年現在、137か国・150地域の医療情報を詳細にお伝えしています。どの病院に行くのがよいか、また、渡航時にはどのようなワクチンを打ったほうがよいかといった情報を掲載しています。ぜひ、多くの在外邦人・邦人旅行者の方にご覧いただきたいと願っています。

仲本先生

「世界の医療事情」 外務省WEBサイト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/

大規模災害やテロ発生時の日本人へのケアと初期治療

ダッカ襲撃事件(2016年)直後の対応

横倉先生:大規模災害やテロ発生時のプライマリ・ケアなども、外務省医務官の方々が行っていると伺いました。ダッカ(バングラデシュ)のテロ事件など、日本人が巻き込まれる痛ましい事件も増えていますね。

仲本先生:ダッカ襲撃テロ事件の折には、私も現地でご遺族のケアなどにあたりました。私は外務省医務官となって約25年になりますが、特に近年に入り、テロや災害発生時に医務官が駆けつけ、プライマリ・ケアや初期治療を行なうことが重要なミッションとなってきています。

2001年の9.11同時多発テロ事件(アメリカ)発生時には、24名もの日本人の方が亡くなられるなど、多くの邦人被害者が出ています。

古閑先生:9.11同時多発テロ事件の際には、日本人が災害弱者となるという事態に直面しました。この出来事を機に、邦人支援対策を行なう官民連携組織の必要性が叫ばれるようになり、JAMSNET(ジャムズネット)が立ち上がりました。JAMSNETの組織概要と活動についても、ここでご紹介させていただきます。