院長インタビュー

泌尿器科領域を柱として地域医療に貢献─別府湾腎泌尿器病院の取り組み

泌尿器科領域を柱として地域医療に貢献─別府湾腎泌尿器病院の取り組み
佐藤 文憲 先生

別府湾腎泌尿器病院 病院長

佐藤 文憲 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2019年02月27日です。

大分県別府市に位置する医療法人別府玄々堂 別府湾腎泌尿器病院(以下、別府湾腎泌尿器病院)は、泌尿器科領域の診療を専門的に行う病院として2018年2月に新しく開院されました。大分大学医学部附属病院に続いて手術支援ロボットのダヴィンチを導入するなど、泌尿器科領域における検査や治療に尽力されています。

院長である佐藤文憲先生にお話を伺いました。

別府湾腎泌尿器病院 外観
別府湾腎泌尿器病院 外観

別府湾腎泌尿器病院は、内科中心の医療を担ってきた旧上人病院から60床のベッドと内科の機能を引き継ぎ、泌尿器科の手術が可能な病院として、2018年2月に新たなスタートを切りました。手術を主体とした泌尿器科の治療を中心に、一般的な内科の診療や、病状が安定した患者さんの在宅復帰の支援も行っています。先端的な医療に限らず、地域包括ケアの一端を担っていきたいと考えています。

泌尿器科の手術の様子
泌尿器科の手術の様子

当院の泌尿器科は、尿が出にくいといった一般的な排尿に関するご相談のほか、先端的な治療を必要とする前立腺がんなどにも対応するため、検査から治療まで一貫して、その時々の世界標準を踏まえた医療を提供したいと考えています。具体的には次のような診療を実施しています。

当院では病気の早期発見と正確な診断に努めています。泌尿器科の病気の中でも、たとえば、前立腺がんは診断のつきにくい症例が多く、診断されるまで何度も検査を受けなければならないことがあります。当院で導入している前立腺がん診断装置は、がんの疑われる部分をピンポイントで発見できることが特徴です。この検査を受けられる病院はまだ多くありませんが、早期診断や正確な診断のために有用とされています。

医療機器の進歩は目覚ましく、新しく登場した医療機器を使用することで、これまで診断がつかなかった患者さんにも、より説得力をもって検査の結果をご説明できると考えています。

患者さんの負担をなるべく減らす低侵襲治療は、主に外科診療でよく取り入れられていますが、当院では泌尿器科の手術において積極的に実施しています。腎腫瘍などに対して行うReduced Port Surgeryという手術では、太さ3mmの鉗子(かんし)を用いて傷が目立たないように治療します。前立腺肥大症に対しては、レーザーを用いた治療を導入し、患者さんが早期に退院できるような環境を整えています。

ダヴィンチを活用した手術の様子
ダヴィンチを活用した手術の様子

前立腺がんでは、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を活用しています。当院が泌尿器科の診療に特化した一番の理由は、県内でダヴィンチによる手術の実施可能な病院が複数必要であるという、大分大学の要請に応えるためでした。当院が開設される以前は、ダヴィンチを導入している大分大学医学部附属病院に患者さんが集中しやすく、手術を希望される患者さんの待ち時間が課題となっていたためです。これから大分県内でダヴィンチによる手術を希望されている方には、当院の受診も検討していただければと思います。

地域の泌尿器科の診療を支える職員の皆さん

地域の泌尿器科の診療を支える職員の皆さん

当院は、手術を主体とする泌尿器科の診療のほか、慢性期の医療や、悪性疾患の末期の医療、訪問診療にも対応しています。

現在、訪問診療では内科の医師による総合的な診療を中心に行っていますが(2018年8月時点)、在宅で排泄のことについてお困りの方は多く見受けられます。患者さんの病状によっては泌尿器科の医師が治療介入をするなど、泌尿器科的な視点からも地域包括ケアの一端を担っていきたいと考えています。

泌尿器科領域に特化しているからこそ、当院では他科領域の先生方や他病院との連携が大切だと考えています。そのため、当院で実施していない放射線療法などの治療を行う場合、どういった治療法を選択するのか患者さんとよくお話ししたうえで、必要な設備を有する近隣の病院をご紹介しています。

開院して間もない病院ということもあり、当院が泌尿器科の診療を行っていることは地域の方々にはまだあまり浸透していないと感じます。しかし、地域連携も含めて、地域の排尿に関するご相談などについてサポートできる体制を整え、地域に根差した病院として医療を提供していきたいと考えています。

当院は、大分大学医学部附属病院の後期臨床研修プログラムの一環で、若手の医師の育成に取り組んでいます。泌尿器科全般の標準的な医療をベースに、総合的な診療ができる医師を育てていきたいと考えており、全人的にとらえた診療を行う中で本当に必要な治療を提供するというスタンスを重視しています。ある分野のスペシャリストを目指したうえで、総合的な診療という大元の部分を見失わないようにすることが大切です。

ロボット支援手術をはじめ低侵襲な治療に努める
ロボット支援手術をはじめ低侵襲な治療に努める

別府湾腎泌尿器病院は、泌尿器科の専門的な病院として、きちんとした標準的な治療法や検査法を踏まえた診療を心がけています。泌尿器科の病気について困っていることがあれば、一度ご相談に来ていただければと思います。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。