社会医療法人 笠置記念胸部外科 松山笠置記念心臓血管病院(以下、松山笠置記念心臓血管病院)は、1889年に開院して以来、120年以上もの長い間、地域に密着した医療を提供している病院です。病院長の笠置康先生は、1986年に医師となってから現在まで、胸部心臓血管外科医として、胸郭変形疾患の治療に40年以上取り組んでいます。なかでも、漏斗胸の治療に情熱を注ぎ、子どもから大人まで幅広い世代の漏斗胸患者さんの治療に携わっています。
今回は、社会医療法人 笠置記念胸部外科の理事長であり、同院の病院長でもある笠置康先生から、同院で行っている診療や今後の取り組みについてお話を伺いました。
松山笠置記念心臓血管病院は、地域になくてはならない救急医療を支える病院のひとつです。診療科目は、外科、心臓血管外科、胸部外科、救急科、心臓内科、呼吸器内科など10科を標榜しています(2019年4月時点)。とくに、漏斗胸治療においては、北は北海道北見市から、南は沖縄県宮古島まで、各地から患者さんがいらっしゃいます。当院では、安全性・確実性が高い漏斗胸手術の実施を目指すとともに、できるだけ痛みを抑え、傷跡を目立たなくするよう努めています。漏斗胸治療で当院を受診される際には、事前にメールかお電話でご連絡いただければ、紹介状がなくても構いません。
漏斗胸は、前胸部の陥凹によって、心臓や肺が圧迫される先天性の遺伝的疾患です。子どもの頃は風邪を頻繁に繰り返し、高校生から大人になると息切れ、疲れやすさ、胸の痛みなどがみられます。この漏斗胸に対し、当院では、Nuss法といわれる米国の小児外科教授Dr. Nussが考案した方法をもとに、改良を重ね、患者さんに可能な限り負担の少ない方法(筋層下Nuss法)での治療を実施しています。また、一般的なNuss法を受けた方で、再び前胸部が陥没して心臓や肺への圧迫が生じている方に対する再手術も実施しています。
成人の漏斗胸治療の場合は、前胸壁を持ち上げるのに、小児の治療よりもより強い力が必要になります。当院では、エンジンジャッキ(クレーン)を用いて、0.3mmの調整を行いながら強い力を加えます。術後の痛みが心配な患者さんもいらっしゃいますが、当院では、このエンジンジャッキを使うことで、改善を図っています。
ほかにも当院では、小さく息をするだけで機械が肺に空気を送り込んでくれる人工呼吸器を使うなど、漏斗胸の手術の痛みを少なくするためにあらゆる努力を行っています。
当院を受診される高齢の患者さんのなかには、下肢静脈瘤を患っている方がいらっしゃいます。下肢静脈瘤とは、足の静脈が太くなってこぶができたように浮き出ている状態をいいます。筋肉が落ちてきた高齢の方や、立ち仕事が多い方などに多く見られます。
軽症の場合は、弾性ストッキング(弾力性のある柔らかい繊維でできたもの)で下肢を締め上げることで治りますが、重症になると外科的な手術や、複数の治療法を組み合わせた治療を行います。当院では、患者さんの体への負担や術後の生活への影響を考慮して、可能な限り短期間での退院を目指した血管内レーザー焼灼法を行っています。血管内レーザー焼灼法の特徴は、また、高齢の方でも手術を受けることができます。ほかの病院で治療を受けた後に、再発した患者さんの治療も行っています。
当院は、二次救急医療機関として、外傷への対応および重症患者さんに対する入院治療などを行っています。地域住民の高齢化が進んでいるため、心不全や肺炎といった高齢の方によくみられる疾患で搬送される患者さんが多いです。救急搬送患者さんに対し、まずは断らずに受け入れて診察し、当院よりもほかの医療機関で治療を受けた方がよい場合は、責任を持って適切な病院に転送します。地域の皆さんが安心して暮らすことができるよう、地域になくてはならない救急医療を支える病院のひとつとして、地域の救急医療への貢献を果たしてまいります。
医師にとって大切なことは、患者さんに寄り添い、コツコツと誠実に対応することです。そして、医師は、心身ともに元気であることが大切です。私は80歳まで現役で手術を実施し、1,000例を超えたので、1,700例を達成することを目標に、健康の維持に努めています。一人でも多くの漏斗胸の患者さんを救いたいという思いとともに、私が持っているこの技術を伝承することも私の使命だと思っています。漏斗胸について学びたいと思っている方は、ぜひ当院にお越しください。
当院は、松山市中心部からのアクセスが便利で、利用しやすい環境にあります。何か気になることや不安なことがありましたら、いつでもご相談に乗りますので、お気軽にご来院ください。
当院は、地域の皆さんに満足いただける医療サービスの提供を目指し、これからも職員一同努力してまいります。
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松山笠置記念心臓血管病院 病院長、社会医療法人 笠置記念胸部外科 理事長
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