院長インタビュー

自治医科大学附属病院の進化し続ける卒後臨床研修センターでバランスのとれた「総合力」を身につける

自治医科大学附属病院の進化し続ける卒後臨床研修センターでバランスのとれた「総合力」を身につける
山本 真一 先生

自治医科大学附属病院 卒後臨床研修センター/光学医療センター内視鏡部/自治医科大学外科学講座呼...

山本 真一 先生

目次
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自治医科大学附属病院の卒後臨床研修センターでは、「心・技・体」を合言葉に、充実した臨床研修システムのなかで臨床的実力を身につけられるよう、研修医向けのセミナーの開催や、メンター制度の実施など、技術面だけではなく、精神面のサポートにも力をいれています。「初期研修を通して『総合力』を身につけてほしい」そう語るセンター長の山本真一先生に、卒後臨床研修センターの特色について伺いました。

自治医科大学附属病院の成り立ち・歴史

当院は、1974年、「地域住民の健康を守る」ことを目的に設立されました。当院の位置する栃木県下野市は、今でこそベッドタウン化が進み人口やお店が増えていますが、昔は今ほど栄えた街ではありませんでした。現在でも、人口は増えても特段病院の数が多い場所ではないので、地域の病院がパンクしないよう当院は貢献したいと考えています。

初期研修で「総合力」を身につける

当院で研修医として働く皆さんに身につけてもらいたいものは「総合力」です。そのため、座学と実技をバランスよく取り入れた研修内容の作成に力を入れています。また、絞り込んだテーマの学びの場を提供できるよう工夫しています。たとえば、過去には研修医の多くが苦手とする「縫合」を学ぶセミナーを開催したことがあります。

自治医科大学附属病院のモットーである「心・技・体」の極意

メンター制度で「心」をサポート

当院ではこれまで2年にわたり、研修医1人につき1人のメンターの医師がつき、あらゆる面のサポートを行うメンター制度を運用してきました。メンターの医師は、些細な悩みから進路相談まで多岐にわたって相談に応じ、研修医の「心」をサポートしています。

担当するメンターは、しっかりと人選を行なったうえでお任せしていますので、困ったときは安心して頼ってください。また、誰がメンターか分かるように、オリジナルのステッカーを作成し名札に貼っています。

山本先生

2人の人間が肩を組んだイラストは「メンターと研修医が共に頑張る」をテーマに私がデザインしました。シールを貼っている先生を見かけたら、ぜひ話しかけてみてください。

メディカルシミュレーションセンターで「技」を磨く

つぎに「心・技・体」の「技」について説明しましょう。当院のメディカルシミュレーションセンターでは、自治医科大学附属病院および自治医科大学に在籍する学生と教員を対象に、医療機材の貸し出しを行っています。メディカルシミュレーションセンターで体験できる医療機材は、以下の通りです。

  • 内視鏡
  • 気管支鏡
  • 超音波検査
  • 心肺蘇生
  • 小児用モデル
  • 心臓カテーテル

メディカルシミュレーションセンター

また、2018年に元外科医の先生が当センターのセンター長に就任したため、研修医を対象に内視鏡手術のトレーニングが可能になりました。外科医として長く培ったノウハウを活かして、知識を伝授してくれています。

さらに、2019年の4月からシミュレーションセンターは24時間空いています。これによって、研修医や医学生の皆さんは、使用したい医療機材をWebから予約するだけで、好きな時間にトレーニングできるようになりました。

メディカルシミュレーションセンター2

センターへ足しげく通い自己研鑽に励むことも大切ですが、指導医の先生から直接指導を受けることも重要だということを忘れないでください。

「体」を労わりながら楽しく働こう

最後に「心・技・体」の「体」についてお話します。近年、医師の働き方改革が叫ばれたことをきっかけに、当院でも労働時間の短縮や見直しを行いました。しかし、制度を変えるだけではなく「もう少し働き手の楽しみを増やせないか」と私は考えています。

近年の取り組みですと、昨年は1〜3年目の研修医と私の20名ほどでバスを借りてリフレッシュを兼ねたスキーツアーへ行ったり、定期的に慰労会を開いたりしました。横のつながりである同期だけではなく、指導医や先輩医師と交流できるイベントを今後も企画していきたいと思っています。

交流イベント

柔軟なプログラム選択が可能

当院の強みは、研修医がローテーションでまわっていく診療科を2年単位ではなく、1年ごとに選択できる点です。1年目に学んだことをもとに、次はどこの診療科へ行こうと決めることができるので、研修医自身の希望に沿ったプログラムを作成することが可能です。そういった進路相談にもメンターの先生がきちんと対応してくれますので、相談したいときには上手にメンター制度を活用してほしいと思います。

救急対応能力を重視

当院では救急対応能力を重視し、以下のようなセミナーを開催しています。なお、いずれも受講は無料です。

BLS(Basic Life Support)

BLSとは、医療機器や医薬品を使用せず、心臓マッサージと人工呼吸、AEDを使用して行う一次救命措置です。当院では研修医の採用時に受講していただき、アメリカ心臓協会(AHA: American Heart Association)が認めたAHA認定修了証をお渡ししています。院内では看護師向けの講習も毎月行っています。

ICLS(Immediate Cardiac Life Support)

患者さんの状態が急変し、突然心停止状態になったときにどう対応すべきかを学ぶ蘇生トレーニングです。研修医2年次に全員が受講し、救急学会認定修了証をお渡ししています。

トレーニング

研修医の声が届く−「自治医大の未来を語る会」

研修医の皆さんが働いていくうえで困ったことや、悩みや不満を病院の先生方や医療スタッフに届けるために、定期的に意見交換会を実施しています。これは病院をあげた新しい取り組みで、初回開催は先月でした。(2019年5月)「自治医大をもっとよくするにはどうすれば良い?」をテーマに、活発な議論が展開されました。

全国にいる未来の研修医(医学生)たちへ山本先生からのメッセージ

山本先生

皆さんにお伝えしたいのは、どうか「心身共に健康でいてください」ということです。もはや24時間365日働く社会は終わりを告げました。医師という仕事は多忙を極める職種ですが、当院でも働き方を少しずつ見直していく予定です。

仕事に心を忙殺されることなく、家族や趣味などプライベートの質も保ち、バランスよく生活することを目指してください。困ったときはメンターや、話しやすいスタッフに声をかけてくださいね。皆さんが心地よく働けるように、私たちも精一杯サポートさせていただきます。