生理の量は通常20〜140mlであることが一般的ですが、20mlより少ない場合を“過少月経”といいます。個人差がありますが、量が少ないと感じる場合は病気が原因である可能性も考えられます。原因によっては適切な治療が必要となることがあるため、気になる症状がある場合は放置せずに婦人科・産婦人科の受診を検討しましょう。
本記事は、生理の量が少ない場合の受診の目安、婦人科・産婦人科などの医療機関で行われる検査について解説します。
生理の量(経血量)が少なくなったと感じた場合は、過少月経である可能性があります。
初潮(初めての月経)を迎えたばかりの方や、閉経が近い方はホルモンバランスが乱れやすく、生理の量も不安定な状態にあることが多いといいます。このような場合は異常ではないため、治療は行わずに経過観察になることが一般的です。ただし、これまでは安定していたにもかかわらず、急に生理の量(経血量)が減った場合や下腹部に痛みがある場合、生理の量が少ない状態が続く場合などには病気が原因で生じている可能性があるため、放置せずに婦人科・産婦人科の受診を検討しましょう。
まず、婦人科・産婦人科では現在の生理の状況や体の状態を確認するため、以下のような診察が行われます。
女性の体には生理サイクルによって体温が低い“低温期”と体温が高めになる“高温期”が存在します。そのため、病院の受診時から基礎体温を測定し、以後の診察に役立てることがあります。基礎体温測定では小数点2桁まで測定可能な婦人科体温計で、5時間以上の睡眠のうえ起床前に舌下で測定する必要があります。なお、日頃から基礎体温を測っている場合には、受診の際に自身の基礎体温の傾向について医師に伝えておきましょう。
生理の状態やそのほかの症状、生活習慣などについての問診が行われます。具体的に生理の周期や出血の続く期間のほか、生理用品をどの程度の頻度で交換する必要があるかなどについて説明できるようにしておくとよいでしょう。
腟に指を入れ、子宮の形や硬さなどを確認することで子宮に異変がないか確認します。
診察後、必要に応じて子宮の状態を調べる“超音波検査”やホルモンの分泌状態を調べる“ホルモン検査”が実施されることもあります。
超音波検査とは専用の医療器具を使って、臓器の状態を画像で見る検査です。
子宮や卵巣を確認する場合、お腹の表面から器具を当てて見る方法と腟から器具を入れて見る方法があります。この検査によって、子宮や卵巣に器質的な異常や病気がないかどうかを確認できます。
ホルモン検査とは、血液検査によって女性ホルモンの“エストロゲン”“プロゲステロン”や性腺刺激ホルモンなどのホルモンの分泌量を確認する検査です。これらの分泌量によっては、内分泌疾患にかかっていることが疑われます。
過少月経の原因となる主な病気は、ホルモンの分泌に関与する“内分泌疾患”と子宮や卵巣に異常が見受けられる“器質性疾患”に分けられます。検査の結果、病気が原因である場合は、病気に合わせた治療が検討されます。たとえば、子宮や卵巣の病気では、場合によって手術が検討されます。また内分泌疾患では、病気に応じた治療(甲状腺疾患など)やホルモン剤(エストロゲン、プロゲステロン製剤)の投与が検討されます。このような病気の中には、不妊など女性の機能を損なうものもあるため、気になる症状がある場合には躊躇せずに婦人科・産婦人科の受診を検討しましょう。
生理の量が少ない場合、一時的なホルモンバランスの乱れによるものであれば、積極的な治療は不要となることが一般的です。しかし、これを自己判断することは困難であるうえに、もし病気が原因で生じていた場合は放置すると不妊など女性の機能を損なう可能性も考えられます。そのため、今回解説したような気になる症状が見られる場合は、早めに受診し医師に相談するようにしましょう。
山王病院 リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター部長
関連の医療相談が11件あります
月経量が少なくなってきた
初めて利用します。 30歳ごろから、生理日数が少なくなってきました。元々、生理痛もなく、4〜5日で終わっていましたが、現在は2日で終わります。 出産経験はなく、現在妊娠を希望していますが、排卵日検査薬を使ってタイミングをとっていますが、短い生理がきました。排卵日検査薬を使ってまだ2ヶ月しか経っていませんが、生理が短いことが原因で妊娠ができないのではないかと不安になっています。
月経困難症のため飲んでいるピルの副作用が強いのでやめたい。
初潮から1年後にイフェクサーやオランザピンを飲むようになる。その期間に月経、アレルギーが徐々に重くなった。1年半後に一度断薬、セルトラリンをメインにして、1年半、少しずつ減薬中。アレルギーも減っている。 ただし、月経が大変重く失神しかけたこともあったので、産婦人科にかかった。現在、低用量3シート終わるところ。 月経が軽くなったが、3シート終わりでも、胃腸の具合が悪く、頭痛もきつい。腹痛、頭痛の薬が増えるのを憂慮している。 低用量ピルをやめたら飲む前と同じ程度の月経困難症に戻ってしまうのか。飲んで、落ちついた生理が薬なし保てるようにはならないのか。 月経困難症の人はだいたい何年くらいピルを飲み続けるのか知りたいです。娘は今20才です。
長引く生理について
1ヶ月半以上生理が終わらず、検査しましたが内診で以上は見つからず、生理が上手く終わらず、内膜が厚くそれが落ちている状態と言われました。段々薄くはなってきているようですがまだ出血は続いています(止血剤を飲んでいるのもあるのか量は減ってはきています)。 いつ終わるのかわからず不安なのですが目安はありますか…? 異常がなかったのですがこの場合原因は何でしょうか?ストレスや疲れは関係するのでしょうか…? また、なかなかヘモグロビンの数値が上がらないのですが出血が止まればまた元に戻りますか? 宜しくお願いします。 (ホルモン剤は副作用のため飲めない状況です)
生理痛がひどい
毎回、生理痛が酷く、痛み止めを飲んでも聞かないくらい痛いです。 仕事や日常生活を止めるくらい痛いです。 産婦人科に行くのに抵抗があり、内診が嫌です。 タイミングもわからず毎回放置してしまいます
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「過少月経」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。