IPL(intense pulsed light)とは可視光線と近赤外線領域の光を照射する機器であり、美容領域では表皮や真皮に対してシワ改善や引き締め、シミ改善などの効果が期待できます。中でも、この記事ではシワに対するIPLの効果やメリット・デメリットなどを解説します。
IPLは可視光線と近赤外線の光を照射する機器を指します。光には波長があり、波長が長いほど赤く見え、この目で見える光を可視光線といいます。波長が長すぎて目で見ることができないものを赤外線と呼び、その中でも波長が短い順に近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分類されます。IPLはこの可視光線と近赤外線領域の光を肌に当てる機器です。
皮膚の奥にある真⽪層には、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分が存在しており、それらを生成するのが線維芽細胞です。IPLを照射することで、熱作用により線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成を促し、シワやハリを改善することが期待できます。
レーザーは、単一波長であり狙えるターゲットが絞られるため、一度に複数の肌の悩みを改善することが困難です。一方、IPLはレーザーと異なり、広範囲の波長を照射するので、シミ・赤み・シワ・毛穴など、さまざまな症状への効果が期待できます。
IPLは皮膚を引き締め、シワ改善や肌にハリを出す効果が期待できます。またやけどや瘢痕などのリスクが低く、手術や注入治療と比較し大きな合併症が少ないというメリットがあります。
IPLの効果は主に真皮に対してのものであり、その下の皮下への効果は乏しいとされています。そのため、皮膚のたるみなどに関しては効果が不十分です。また手術や注入治療と比較し、即効性や持続性に劣るため、定期的に照射を継続する必要があります。
IPLによるシワ治療は皮膚の質感やハリなどの変化は感じられるものの、手術や注入治療と比較し外観が大きく変化するわけではありません。シワの深さ・たるみの程度などで適応となる治療は異なるので、効果が感じられない場合は担当医師と相談し、納得したうえで治療を受けるとよいでしょう。
近畿大学病院皮膚科 非常勤講師
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