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チーム医療と親御さんのサポート体制を充実させる熊本機能病院 国際唇裂口蓋裂センター

チーム医療と親御さんのサポート体制を充実させる熊本機能病院 国際唇裂口蓋裂センター
小薗 喜久夫 先生

熊本機能病院 形成外科 副院長

小薗 喜久夫 先生

目次
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口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)は、400~600名に1名の赤ちゃんにみられる先天性異常の病気です。見た目だけでなく機能面でも問題が生じるため、成長に合わせて治療を進めていく必要があります。

長期的な治療を要する口唇口蓋裂の治療はどのように行っていくのでしょうか。今回は、熊本機能病院の形成外科部長を務める小薗(こぞの) 喜久夫(きくお)先生に口唇口蓋裂の概要や治療の流れ、熊本機能病院 国際唇裂口蓋裂センターにおける診療の特徴についてお話を伺いました。

口唇口蓋裂とは、先天性異常によって唇や口腔(こうくう)内の天井部にあたる口蓋、歯茎に割れ目が生じている病態です。割れ目がある場所が上唇であれば口唇裂(こうしんれつ)、口蓋であれば口蓋裂(こうがいれつ)、歯茎であれば顎裂(がくれつ)とそれぞれ呼びます。口唇口蓋裂の病態はさまざまで、これらの複数が合併していることもあります。

口唇口蓋裂とはどんな病気?

口唇口蓋裂は、通常であれば妊娠初期にできあがるはずの唇や口蓋が、何らかの原因で割けた状態のままとなってしまうことで生じます。遺伝要因と環境要因(妊娠初期の内的、外的因子)が原因と考えられていますが、原因が判然としない場合が多いです。

見た目の問題だけでなく、食事や成長にも影響を及ぼします。たとえば、授乳しづらい、歯並びが悪くなる、発音しづらくなるなどが挙げられます。加えて、中耳炎になりやすかったり、ほかの病気を合併していたりする場合もあります。

口唇口蓋裂では病態にもよりますが、複数回にわたり手術が必要となります。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんに対してすぐに手術をすることはできません。

では、どのように治療を進めていくか以下でお話しします。

口唇口蓋裂のお子さんは、唇や歯茎などに割れ目があるため授乳が困難です。そこで、マウスピースのような器具を使って、お子さんが飲みやすいようにサポートしながら授乳を行います。

口唇裂がある場合には、生後3か月ほどで唇の割れ目を縫合する口唇形成術を行います。口唇口蓋裂は、唇だけ割けている場合や、唇から鼻の穴または(あご)のほうまで割けている場合など病態はさまざまです。そのため、患者さんの病態に応じた術式を選択します。

口唇形成術では、唇の形を整えることに加えて、鼻の位置を正常な位置にすることを目指します。

口蓋裂がある場合、1歳頃に口と鼻のつながりを閉鎖して正常な口蓋を形成するために口蓋形成術を行います。言語能力の発達する時期よりも前に手術することで、発音の発達に影響しないように心がけています。

口蓋裂の手術後、口蓋が安定したら言語の発達や発声に問題がないかをみていきます。言語聴覚士が現在の状態をみて、必要に応じて発音の訓練を行います。

加えて、虫歯の予防にも取り組みます。口唇口蓋裂のあるお子さんは歯並びや噛み合わせなどが悪い場合があるため、口腔内の清潔を保ち、虫歯を予防することが大切です。

必要に応じて、口唇形成術後の唇や鼻の形などの微修正を小学校入学前の時期に行います。

顎裂のある場合には、簡易的な歯科矯正で上顎を広げた後6歳頃に自分の腸骨(骨盤の骨の一部)の骨髄を移植する顎裂部骨移植術を行います。顎裂部骨移植術によって、歯茎の骨の欠損がなくなるため、歯の移動も含む本格的な歯科矯正ができるようになります。

口唇口蓋裂の場合、上顎の発育が悪いことが多いです。そのため、成長を促すために前歯が永久歯に生え変わった後に簡易的な歯科矯正を開始します。また、永久歯が生えそろったタイミングで通常の歯科矯正を実施していきます。

画像提供:PIXTA
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永久歯が生えそろった後に顎の成長に合わせて、仕上げの歯科矯正で噛み合わせを整えていきます。なお、上顎と下顎の骨にずれが生じている場合は、噛み合わせを調整するために外科手術を行ったうえで歯科矯正することもあります。

また、必要に応じて唇や顎の形、鼻の変形の微調整などを行う場合もあります。

患者さんの病態やご希望によって、どのような治療をいつ頃実施するかは異なります。また、治療期間が長期にわたるため、いつ頃どの治療を行うかは医師と相談しながら進めていきましょう。

治療の流れを見ていただいたとおり、口唇口蓋裂はさまざまな治療や手術を行っていきます。そのため、複数の診療科同士の連携や多職種の関与が欠かせません。

たとえば、全身の状態は小児科、唇や口蓋などの治療に関しては形成外科で診療を行います。口蓋裂の場合、聴力や言語の発達にも影響を及ぼすため、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)や言語聴覚士が必要となることもあります。また、社会福祉の立場から入院中の精神的なサポートや退院支援を行う医療ソーシャルワーカーも重要といえるでしょう。

さまざまな診療科ならびに多職種のスタッフによる治療が必要な口唇口蓋裂の患者さんに対応するために、当院では国際唇裂口蓋裂センターを設置しています。国際唇裂口蓋裂センターを設けることで、さまざまな診療科ならびに多職種のスタッフとの緊密な連携が図れる体制を整えています。これからも、国際唇裂口蓋裂センターでは診療科や職種の垣根なく、チーム一体となって診療を行うことを重視してまいります。

画像提供:PIXTA
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当院では、口唇口蓋裂のお子さんを持つ親御さんが悩みを抱え込むことがないようにサポートするための取り組みを行っています。その1つが年4回実施している家族教室です。家族教室では、口唇口蓋裂のお子さん特有のお悩みである“授乳の方法”や“歯茎のケア”などについて丁寧にレクチャーしています。そのほか、これからどのような流れで治療を行っていくかについてもお話しさせていただきます。

また、口唇口蓋裂のお子さんを持つ親御さんが参加できる、親の会“あじさい”といった取り組みも行っています。当会は、先天性異常のあるお子さんの親御さん同士が交流をもったり情報共有をしたりする場となることが目的です。

疑問や不安な気持ちを親御さんが抱え込むことなく治療に臨めるように、親御さんのサポート体制の充実にも力を入れています。

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