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がんせいふくまくえん

がん性腹膜炎

最終更新日:
2020年08月14日
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2020/08/14
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治療

がん性腹膜炎は、原因となるがんに対応しての治療薬の選択が検討されます。たとえば胃がんが原因とされる場合には、パクリタキセルなどの抗がん剤が検討されます。

がん性腹膜炎では、がん細胞が広くおなかの中に見られ、病状の根治を期待することは現在の医療では容易ではありません(2020年8月時点)。そのため、生じうる症状に対応して、対症療法的な治療介入を行うことが検討されます。無治療のままがん性腹膜炎を放置すると、呼吸障害や栄養障害など、さまざまな症状・病状がもたらされます。患者の抱える症状を緩和させるためにも、対症療法的な視点を取り入れることは、とても重要であるといえます。

がん性腹膜炎では、おなかの腹水を原因として症状が引き起こされることがあります。そのため、おなかに針を刺す腹水穿刺にて腹水を体外に排泄することで、症状の緩和を図ることもあります。うまくコントロールできない腹水の場合は、腹水濾過濃縮再静注法(CART)を行うこともあります。腹水中のがん細胞はもちろんのこと、血球、細菌などの細胞成分と余分な水分を除去して静脈内に返すことで、症状の緩和だけでなく全身ならびに腹腔(ふくくう)内臓器の循環動態を改善します。それによって利尿剤の効果増強、食欲の改善、血中アルブミン、グロブリン濃度の上昇などが期待でき、生活の質(QOL)の改善とともに腹水も再貯留しにくくなります。また、利尿剤を使用することで、腹水の軽減を期待することもあります。

また、がん性腹膜炎ではうまく食事が取れないこともあります。その場合には、高カロリー輸液の使用、オクトレオチドの投与、消化管内へのチューブ留置による負担軽減などが適宜検討されます。

がんの中には、禁煙ワクチン接種など、予防的な観点を取り入れることができるものもあります。こうした対応をあらかじめすることで、がんの発生、ひいてはがん性腹膜炎の発症リスクを軽減することも重要です。

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