原因
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下することが原因で引き起こされる病気です。
私たちの皮膚は4つの層で構成されており、もっとも外側を“角質層”と呼びます。角質層には皮膚内部の水分が蒸発して皮膚が乾燥したり、病原体や異物が侵入したりするのを防ぐはたらきがあります。このようなはたらきをバリア機能と呼びますが、アトピー性皮膚炎はこのバリア機能が低下するため皮膚に異物が侵入しやすくなり、アレルギー反応を引き起こすことで発症すると考えられています。
一方で、どのようなメカニズムで皮膚のバリア機能が低下するのか明確には解明されていないのが現状です。しかし、遺伝やアレルギー体質などが関与しているとの考えもあり、近年ではアトピー性皮膚炎患者は皮膚の水分保持を担うフィラグリンと呼ばれるタンパク質が少ないために皮膚が乾燥しやすい状態であることが分かっています。
医師の方へ
アトピー性皮膚炎の概要、診断方針、治療方針をまとめて確認することができます。
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第120回皮膚科学会レポート】JAK阻害剤のかゆみへの効果メカニズム(4000字)
アトピー性皮膚炎は「バリア機能異常」、「免疫システムの破綻」、「かゆみ」という3つの因子が絡み合うことで発症・増悪するといわれている。なかでも「かゆみ」のコントロールは重要だ。アトピー性皮膚炎患者を対象とした海外のアンケート結果によると、約8割の患者が毎日かゆみを感じ、約6割の患者が重度および耐え難
【第120回皮膚科学会レポート】脊髄を切り口とした慢性掻痒症の新しいメカニズム(5600字)
慢性掻痒症とは、かゆみが長期間続くことに加え、かゆみ敏感状態など通常とは異なる異常なかゆみがみられる状態であるが、今までその詳しい分子メカニズムは明らかにされていなかった。第120回日本皮膚科学会総会(2021年6月10~13日)にて行われた講演の中で、九州大学 大学院薬学研究院 薬理学分野(津田
「アトピー性皮膚炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします