ういるすせいげりしょう

ウイルス性下痢症

大腸・小腸

目次

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概要

胃腸炎の症状のひとつに、下痢があります。胃腸炎の症状は下痢だけのこともあれば、嘔吐と下痢を同時に生じるものもあります。

下痢症にはウイルス性のものと細菌性のものがあり、ウイルス性下痢症は寒い時期に流行することが多く、特に小児では嘔吐を併発することがあります。

一方、細菌性は高温多湿の時期に流行することが多く、嘔吐を併発しないことが多いです。しかし、下痢の重症度は一般的に細菌性のほうが高く、血便が出たり高度な脱水になったりすることがあり、命を落とすこともあります。

原因

原因ウイルスに感染することにより起こります。ウイルス性下痢症の原因ウイルスとして知られているのは、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルスなどです。

ウイルスは主に糞口感染によって伝播します。感染者の便に潜んでいるウイルスがトイレの便座やドアノブなどに付着し、他の人が触ってしまうことで感染します。

また、嘔吐がある場合には、吐しゃ物にもウイルスが含まれているため、吸い込んだり触ったりすることで感染することがあります。

症状

ノロウイルスを除くほとんどのウイルスは、感染後1~3日の潜伏期間を経て、突然の下痢、腹痛、嘔吐などを来たします。一般的には12~60時間ほど症状が続きます。下痢は水様であり、血便になることはまずありません。

また、発熱や頭痛、悪寒、筋肉痛などの全身症状も起こることが多いです。頻回の下痢は脱水の原因になり、急性腎不全にいたる場合もあるため注意が必要です。そのほか、重症な合併症として、ウイルスが脳にまで波及して脳炎やけいれん、腸の動きが鈍くなって麻痺性の腸閉塞を起こすことがあります。

検査・診断

原因ウイルスの特定を行います。ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどを疑う場合は、簡易検査キットを用います。簡易検査キットのない病原体が疑われる場合は、便を専門機関で検査する必要があります。

また、全身状態を評価するために、血液検査を行うことが多いです。ウイルス性下痢症では、白血球やCRPなどの炎症マーカーが上昇しないのが特徴です。また、尿素窒素やクレアチニンの値から脱水状態を評価することが可能です

治療

特別な治療方法はなく、脱水に注意して水分補給や補液療法などを行いながら症状が軽快するのを待つしかありません。抗菌薬はウイルスには効果がなく、下痢止めはウイルスを体内に留めてしまうことになるため禁忌です。

重症な合併症が引き起こされたときは、脱水補正を行いながら、それぞれに適した治療を早期に開始しなければなりません。特に小児や高齢者は、病状が変化しやすく脱水になりやすいため、慎重な経過観察が必要です。

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