治療
トゥレット症候群の治療では、チックの症状と併存症の両方の治療を行う必要があります。チックの症状が軽い場合、特に治療をせずに経過を見ることが多いです。一方、症状が強い場合には薬物療法が行われることがあります。また、合併する症状が生活を困難にすることもあり、それらに対する治療に加え、心理教育や環境調整が必要となることもあります。ストレスや疲労などでチックの症状が出やすくなるため、本人や周囲の人がチックについて知り、社会生活にうまく適応できるよう支援することが大切です。
行われる具体的な治療には、以下のものがあります。
心理教育・環境調整
本人や周囲の人(家族や教師など)が障害の特徴を正しく理解し、社会適応に必要な支援を受けられるようにします。
本人は、小児期から生活リズムを整え、きちんとした歩行を行うことが併存症の発現予防に効果的であると考えられています。
薬物療法
心理教育や環境調整だけでは解決できない場合などに、副作用のデメリットを考慮しながら薬物療法が用いられることがあります。
リスペリドン、アリピプラゾール、ハロペリドールなどの抗精神病薬やクロニジンなどの薬が有効な場合があります。合併症や副作用などを考慮し選択されます。
行動療法
チックと同時にできないような動作を身につけ、チックが出ないようにするハビット・リバーサルと呼ばれる方法を試みることがあります。
外科治療
ほかの治療法で効果がみられない重度のトゥレット症候群に対しては、脳に電極を埋め込んで刺激を与え続ける脳深部刺激療法と呼ばれる外科治療が行われることがあります。
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