症状
ドラベ症候群では、複数のてんかん発作、運動失調や歩行障害などの運動機能の障害、精神運動発達遅滞やできたことができなくなる退行、多動や衝動性などの神経発達症の症状などが現れます。
てんかん発作
ドラベ症候群において最初に現れる症状は、てんかん発作の1つである全身もしくは半身に起こるけいれん(強直間代発作)です。発熱や入浴などにより体温が上昇した場合や予防接種によりけいれんが起こりやすく、繰り返し生じるようになります。
けいれんは体温の上昇だけでなく、図形や模様、光の点滅などを凝視することによって生じることもありますが、何のきっかけもなく生じることもあります。また、5分以上治まらないてんかん重積やけいれんを繰り返す群発を生じることも多くあり、その場合には救急用の抗けいれん薬の投与が必要になることもあります。
1~3歳頃からは、一瞬力が抜けてしまう脱力発作や、起きている時に四肢をピクッとさせるミオクロニー発作、数秒間にわたりぼんやりとする欠神発作などのてんかん発作がみられることがあるのも特徴の1つです。
運動機能の障害
ドラベ症候群では、歩行できるようになるまでに時間がかかったり、歩行できるようになっても不安定感があったりします。また、思春期以降には膝を曲げ内股で重心を低くして歩くしゃがみ歩行を示す例も多くあります。
ほかにも、手先があまり器用でないこともドラベ症候群の特徴の1つです。
精神運動発達遅滞
ドラベ症候群では多くの場合、1歳までは正常に発達しますが、1歳過ぎから発達の遅れが目立つようになり、さまざまな程度の知的障害を生じます。
一般的には、ドラベ症候群を発症していても、今までできていたことができなくなる“退行”が起こることはありません。しかし、けいれん重積などを機に急性脳症を発症することがあり、退行することはあります。
行動特性
ドラベ症候群では、集中力がなかったり、多動や衝動性などを認めたりすることがあります。これらの症状は神経発達症として生じるものや薬物療法の副作用として生じることもあり、区別が困難なケースもあります。
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