原因
ピロリ菌感染の主な原因は経口感染です。ピロリ菌が口から体内に入り、胃粘膜に定着し感染します。
ピロリ菌が入った吐物や便が上水に混入して、飲み水による経口感染する水系感染が感染経路の1つと考えられています。しかし、上下水道が整備された現在では、家族内特に母子あるいは父子感染が多くみられ、親がピロリ菌に感染している場合、子どもも同様に感染する可能性が高くなります。特に5歳くらいまでの乳幼児期において、ピロリ菌に感染した親から子への口移しや、同じスプーンや箸の使用など、唾液を介した感染が多いと考えられています。
日本のピロリ菌感染者は現在およそ3,500万人と推定されています。高齢者ほど感染率が高く、若年層には著しい低下がみられます。感染率には出生時期が影響し、たとえば1940年生まれの日本人の感染率は約64%、2000年生まれは約7%と報告されています。これは前述のように子どもの頃の衛生環境の違いが主な要因と考えられています。
一度感染したピロリ菌が自然に消失することはまれで、胃粘膜への感染は生涯にわたって持続することが一般的です。
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