治療
ピロリ菌感染症には除菌治療を行います。除菌治療では、通常、胃酸の分泌を抑制する薬(プロトンポンプ阻害薬またはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー)を1剤と抗菌薬の2剤を合わせた3剤の治療薬を組み合わせて1日2回、7日間飲み続けます。治療終了から4週間以上経過したら再びピロリ菌の検査を行って、除菌されているかどうか確認します。
最初に行う除菌を1次除菌といい、1次除菌でピロリ菌の除菌が不十分だった場合には2次除菌を行います。多くは抗菌薬が効かないピロリ耐性菌が原因で除菌に失敗するため、2次除菌では抗菌薬の種類を変えて行います。
薬を飲み忘れたり、自己判断で薬を減らしたりすると耐性菌ができやすくなり、成功率が下がります。そのため、用法・用量を守って薬を飲むようにしましょう。1次除菌と2次除菌の成功率はおよそ80~90%といわれています。なお、1次除菌と2次除菌までは保険診療で行えますが、3回目以降は自費となります。3回目以降の治療を希望する場合はピロリ菌外来でご相談ください。
なお、20~30歳代までに、できれば50歳までに除菌治療を受けることが望ましいとされています。
1次除菌(初回の除菌治療)の組み合わせ
- ボノプラザン(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)またはラベプラゾール(プロトンポンプ阻害薬)など
- アモキシシリン(抗菌薬)
- クラリスロマイシン(抗菌薬)
2次除菌(2回目の除菌治療)の組み合わせ
- ボノプラザン(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)またはラベプラゾール(プロトンポンプ阻害薬)など
- アモキシシリン(抗菌薬)
- メトロニダゾール(抗菌薬)
ピロリ菌とは? 積極的な検査と除菌治療で胃がんの予防につなげよう菊名記念病院 消化器内科 部長花村 祥太郎 先生日本における胃がんの原因の98%はピロリ菌関連とされており、日本人全体のピロリ菌感染率は約5割といわれています。そのため、胃がんなどの病気を予...続きを読む
ピロリ菌による胃潰瘍の治療-除菌療法とはどのようなものか国際医療福祉大学 教授、国際医療福祉大学...山根 建樹 先生胃潰瘍には非ステロイド性抗炎症薬が原因となるNSAIDs潰瘍のほか、主に小児期に感染したピロリ菌が原因となるHp潰瘍があります。これら2つの胃...続きを読む
ピロリ菌の治療―除菌について慶應義塾大学医学部 客員教授森下 鉄夫 先生ピロリ菌は、それ自体が症状を起こすわけではありませんが、放っておくと胃潰瘍や十二指腸潰瘍、場合によっては胃がんのリスクにもなる菌です。ピロリ菌...続きを読む
「ピロリ菌感染症」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「ピロリ菌感染症」に関連する記事
ピロリ菌とは? 積極的な検査と除菌治療で胃がんの予防につなげよう菊名記念病院 消化器内科 部長花村 祥太郎 先生
胃がんリスク層別化検査とは。ピロリ菌感染と萎縮性胃炎の有無で胃がんのリスクを層別化一般財団法人日本健康増進財団 代表理事/...三木 一正 先生
ピロリ菌による胃潰瘍の治療-除菌療法とはどのようなものか国際医療福祉大学 教授、国際医療福祉大学...山根 建樹 先生
胃潰瘍の原因とは? ピロリ菌感染とNSAIDs服薬国際医療福祉大学 教授、国際医療福祉大学...山根 建樹 先生
胃がんの原因-ピロリ菌感染・喫煙・食生活がリスクになりうる北里大学医学部 上部消化管外科学 診療教授熊谷 厚志 先生







