症状
ヤング・シンプソン症候群では、全身にわたって多様な症状が見られます。まず、眼瞼裂が非常に狭くほとんど目が開けられない、頰が膨らんでいるといった特徴的な顔貌が挙げられます。さらに、弱視や涙の通り道である鼻涙管の閉塞といった眼症状が見られる例もめずらしくありません。難聴も多く見られます。精神発達の遅れも見られ、中程度から重度といわれています。また、新生児期より軽度の甲状腺機能の低下を伴います。筋骨格系の異常も見られ、特に内反足は出生時より目立つことも多いです。外性器の異常に関しては、男児において顕著であり、停留精巣や矮小陰茎が見られます。肺動脈(弁)狭窄症などの先天性心疾患を合併する例も見受けられます。目立った脳の奇形は報告されていませんが、一部の患者さんはてんかんを伴います。新生児期の特徴としては、出生後に軽度の呼吸障害が生じる例が多く、ほぼ全例で哺乳障害が見られます。しかし、乳児期には徐々によくなる傾向にあり、経口摂取ができるようになります。哺乳障害が見られますが、経管栄養を行うことで体重増加も正常範囲内を示し、身長は正常か、またはやや低い傾向にあります。このほか、胎児期に約7割で羊水過多が生じることも特徴として挙げられますが、発症機序ならびに出生後の症状との関連性についてはわかっていません。
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