症状
リウマチ熱では関節や心臓、皮膚、神経系に炎症が生じ、炎症部位に応じて発熱や関節痛、胸痛、発疹、不随意運動などの症状が現れます。症状が1つのこともあれば複数みられることもあります。
初期症状としては発熱と関節痛がもっとも多く、典型的には溶連菌感染症が治ってから2~3週間後に症状が出始めます。
関節に関する症状
関節に炎症が起こった場合には関節痛が生じ、通常は手首、足首、肘、膝の関節で発症して1つあるいは複数の関節が急に痛み出します。熱を持ったり、腫れて赤くなったり、関節がこわばって中に液体がたまったりすることもあります。
心臓に関する症状
リウマチ熱の合併症でもっともリスクが高いのは心臓の炎症です。リウマチ熱患者の50〜60%に発症すると考えられています。心臓に炎症が起こっても無症状で経過することもありますが、心臓への炎症が心内膜、心筋、心外膜などに波及すると胸痛や心拍数の増加、心雑音がみられる場合もあります。心雑音は心臓弁の炎症によって弁が十分に閉まらなくなり血液が逆流することで生じ、これまでになかった心雑音が聞こえたり、音が大きくなったり変化したりするようになります。なかでも僧帽弁や大動脈弁の心臓弁の炎症が進行すると、弁の逆流による心不全症状に進展します。疲労感や息切れ、吐き気・嘔吐、空咳などの症状が出現します。心臓の炎症は後遺症が生じる場合があることから注意が必要です。
皮膚に関する症状
リウマチ熱でみられる皮膚症状は、輪状紅斑(輪を描くように拡大する平らな発疹)や、皮下結節(皮膚の下の小さくて硬いしこり)です。
発生頻度は少なく、1日以内に消えることも多いですが、これらの皮膚症状が出現した場合にはリウマチ熱を発症している可能性が高いと考えられます。
神経系に関する症状
神経系に炎症が起こった場合には、不随意運動がみられることがあります。自分の意志とは関係なく手足や顔などが動き、まるで踊っているような動き方をすることから舞踏病と呼ばれています。通常、リウマチ熱による不随意運動はほかの症状が全て消えた後に生じます。
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