にゅうようじじろう

乳幼児痔瘻

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

乳幼児痔瘻とは、肛門の少し奥から肛門周囲の皮膚にかけて(うみ)が溜まっている状態を指します。痔瘻(じろう)自体は成人でも見られる病気ですが、「乳幼児」と付いているように、成人にできる痔瘻とは大きく区別される病気です。

原因

乳幼児痔瘻の原因はすべてが解明されているわけではありません。肛門の中に少し入った場所にある肛門陰窩(こうもんいんか)と呼ばれる場所の細菌感染が原因のひとつであると考えられています。

生後数か月の乳児は、下痢などをはじめとした胃腸トラブルからおむつかぶれが生じることもまれではありません。下痢やおむつかぶれをきっかけとして、肛門周囲にが溜まってしまうことがあり、これを肛門周囲膿瘍と呼びます。肛門周囲膿瘍をきっかけとして、肛門周囲の皮膚に穴が空くことがあり、この穴を通して膿が排泄されるようになることで痔瘻を発症します。

発症年齢は乳児期(生後1ヶ月前後から1歳位)であることが多いですが、難治性のものでは幼児期(1歳前後~就学前までの5~6歳)にかけて痔瘻が続くこともあります。ただし、乳幼児痔瘻は男児に生じることがほとんどの病気であり、何かしらのホルモンも関連していることも推定されています。
 

症状

肛門周囲が赤く腫れて、腫れた場所にはがたまります。また、症状が起こっている場所に痛みを伴うため、お子さんは機嫌が悪くなり泣いたり、ぐずったりするようになります。

このような痔瘻の症状は一回で終わらずに、何度も繰り返すことがあります。乳児期の痔瘻は成人の痔瘻と比べて、自然治癒することも大きく期待できます。具体的には、痔瘻の症状は1歳ほどでの間に改善することも多いです。
 

検査・診断

肛門周囲の病変(病気による変化が起きている場所)を詳細に観察することで診断されます。身体診察による症状の確認が重要であり、基本的に特別な検査を行うことはありません。ただし、治癒が想定されるよりも遅れる状況の場合には、基礎疾患の存在や手術的な治療をおこなう可能性も考慮して、追加検査も適宜検討されます。

治療

肛門周囲にが溜まってしまった場合いは、切開により膿を外に出します。乳幼児痔瘻の治療では、膿を出し切ることが大切です。

下痢やおむつかぶれなどをきっかけとして痔瘻の症状が再燃することもあるので、

  • 整腸剤を使用する
  • 下痢の原因としてミルクアレルギーなどが考えられる場合は、早い段階で離乳食をはじめる
  • 軟膏をお尻周りに塗る

など上記の処置も検討されます。

成人にみる痔瘻と比べて、お子さんの痔瘻は手術をしなくても治癒する可能性が高いとされています。1歳までの経過で治癒することが期待できますが、症状の再燃(おさまっていた症状が再び悪化すること)や軽快を繰り返すこともまれではないので、根気よく対処し続けることが必要です。

ただし、なかにはなかなか治癒せず、痔瘻の症状が幼児期にも続くことがあります。この場合には、手術による治療をおこなうことも検討します。治療は長期化することもあり、手術が必要になる可能性も少なからずあるため、小児科・小児外科でしっかりと経過観察をおこなうことが大切です。
 

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