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ていかりうむけっしょう

低カリウム血症

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

低カリウム血症とは、血液中の電解質成分のひとつであるカリウムが何らかの理由により少なくなる状態です。カリウムは化学で習う金属元素のひとつで、わたしたちの体の中にも多く存在しており、細胞の内側と外側の濃度が厳密にコントロールされています。

カリウムは、心臓を含む筋肉や神経の活動に重要な役割を果たしています。カリウムの濃度が高すぎても低すぎても正常な状態が損なわれてしまうため、健康を保つうえで重要な物質です。

原因

低カリウム血症の原因は大きく下記の3つに分けられます。

  • 体の外から入るカリウムが足りない
  • 体の外へ出て行くカリウムが多すぎる
  • 細胞の外側から内側へカリウムが入り込む

体の外から入るカリウムが足りない

偏った食事などにより栄養状態がよくない場合、低カリウム血症となる可能性があります。カリウムは多くの野菜やイモ類、キノコ類にたくさん含まれているため、これらを食べなかったり、食事量が減ったりすることは低カリウム血症につながります。

体の外へ出て行くカリウムが多すぎる

尿細管機能の異常

カリウムは主に腎臓から尿と一緒に排出されます。腎臓の中の尿細管という尿の通り道の途中でカリウムを排出するのですが、この機能の異常により低カリウムになることがあります。下記疾患が挙げられます。

ホルモンの影響

ステロイドなどの影響を受けて尿量が多くなり、そのたびにカリウムが失われることがあります。

また、アルドステロンという副腎のホルモンが過剰になると、腎臓でのナトリウムの再吸収が増える代わりにカリウムの排出が増えて、低カリウム血症になります(アルドステロン症)。アルドステロン症には、下記の種類があります。

  • 原発性アルドステロン症:ホルモンをつくる副腎が原因となる
  • 二次性アルドステロン症:腎臓の血流が減少することによって起こる
  • 薬剤性(偽性)アルドステロン症:甘草を含む漢方薬などアルドステロンと似た作用を持つ薬を定期的に飲んでいる場合に起こることがある

利尿薬の使用

尿細管に作用する利尿薬はカリウムの再吸収を減らす作用をもつため低カリウム血症になりやすくなります。

嘔吐や下痢

カリウムは消化管の分泌液からも排出されるため、嘔吐や下痢が起こると低カリウム血症になりやすくなります。

細胞の外側から内側へカリウムが入り込む

細胞内外のカリウムの濃度はとても重要であるため厳密に管理されています。しかし、下記のような状態では、細胞の外側にあるカリウムが内側へと移動しやすくなり、低カリウム血症になりやすくなります。

  • 糖尿病の薬であるインスリンを投与した後
  • 血液がアルカリ性に近い状態のとき
  • 甲状腺機能が高まっているとき

症状

軽度の低カリウム血症では症状はほとんどありません。血清カリウム濃度が3mEq/L未満になると筋力低下が生じて手足が麻痺(まひ)したり、呼吸するための筋肉がうまく使えず呼吸不全に陥ったりすることがあります。

その他、下記のような症状がみられることがあります。

など

検査・診断

血液検査でカリウム値の低下がみられた場合には、心電図検査を行うことが多いです。これは、カリウムの濃度が心拍に大きく関与しており、低値となれば房室ブロック期外収縮などの不整脈が出現することがあるためです。

同時に、低カリウム血症の原因を特定するため、患者さんのこれまでの病歴や現在処方されている薬の一覧を再確認します。

また、追加でホルモンなどの血液検査項目を確認したりCTなどによる画像検査を行ったりします。腎臓の排出機能が正常であるのかどうかを見極めるために、尿中のカリウム濃度も測定します。

治療

カリウムの補充と、原因に対する治療を行います。軽度の場合では、カリウム製剤の内服が基本となります。

重度であったり心電図変化を伴っていたりする場合、経口療法に反応しない場合などには、カリウムを点滴により補充する必要があります。カリウムを含む点滴は末梢の静脈に対して刺激になるだけでなく、急速に補充することで一時的な高カリウム血症を引き起こすことがあります。

高カリウム血症では、心室細動心室頻拍といった心停止につながる状態を引き起こすことがあるため、カリウムの点滴は高すぎない濃度でゆっくりと行う必要があります。

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