原因
低カルシウム血症は非常に多くの原因によって引き起こされます。
代表的な原因として挙げられるのは副甲状腺の機能低下によるものです。副甲状腺ではカルシウムの再吸収を促す副甲状腺ホルモンが産生されますが、副甲状腺機能低下症によって副甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、腎臓でのカルシウムの再吸収が低下します。
また同時に活性型ビタミンDの産生が低下し、腸管でのカルシウムの吸収も低下するために低カルシウム血症が引き起こされます。
副甲状腺機能低下症の原因は、免疫の異常によって副甲状腺を攻撃する抗体が形成されることや遺伝子の異常、甲状腺全摘出手術の合併症などが挙げられます。
また、まれなケースですが、副甲状腺ホルモンの分泌自体は正常であっても、腎臓など副甲状腺ホルモンがはたらきかける臓器の受容体の機能が弱いことで副甲状腺ホルモンが適切に作用しない“偽性副甲状腺機能低下症”という病気もあります。
そのほかにも、カルシウムの吸収を促す栄養素であるビタミンDの不足によって低カルシウム血症を引き起こすことも少なくありません。
ビタミンDは食事から取り入れられるほか、紫外線の刺激を受けて皮膚でも合成される栄養素です。そのため、食生活の乱れや日光への暴露を過剰に避けることなどが原因でビタミンD不足が引き起こされます。
ビタミンDの体内での活性化を行う酵素や活性型ビタミンDの受容体が遺伝的に異常をおこし、活性型ビタミンDの作用が低下するビタミンD依存症という病気もあります。
また、カルシウムの尿中への排せつを抑え、ビタミンDを活性化させる作用を持つ腎臓の機能が低下することなどによっても低カルシウム血症が引き起こされることがあります。
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