せんてんせいひょうひすいほうしょう

先天性表皮水疱症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

先天性表皮水疱症とは、少しの刺激をきっかけとして、皮膚や粘膜がめくれたり、水ぶくれができたりする病気を指します。遺伝性疾患のひとつであり、国の難病指定を受けている病気です。

病変部位によって単純型、接合部型、栄養障害型という3つの病型が存在しますが、単純型と栄養障害型の発生頻度が高く、接合部型は全体の約1割といわれています。

また、これら3つ病型に加えて、キンドラー症候群と呼ばれる病気が含まれており、それぞれ重症度などが異なります。

原因

先天性表皮水疱症は、皮膚を構成するタンパク質がうまく生成されないことを原因として発症します。どのタンパク質が障害を受けるかは、それぞれの病型によって異なります。

先天性表皮水疱症でタンパク質が正常に形成されなくなるのは、それぞれのタンパク質を作るのに必要な遺伝子に生まれつき異常が生じているためです。

遺伝形式は病型によって異なり、先天性表皮水疱症の中でも頻度の高い単純型は、優性遺伝形式と呼ばれる形式をとります。

症状

日常生活におけるちょっとした刺激をきっかけとして、皮膚や粘膜がはがれたり、水ぶくれができたりします。特に、手足の指の間、関節部位など外力の影響を受けやすい場所に症状が出現しやすいです。

病型によって重症度はさまざまであり、痕を残さず皮膚が元通りに戻ることもある一方、皮膚や粘膜に後遺症(皮膚に瘢痕(はんこん)形成が生じて関節の動きが悪くなったり、粘膜に障害が生じて飲み込み(嚥下(えんげ))に影響が及んだりする)を残すこともあります。

そのほかにも、貧血や栄養失調、成長障害などが生じることもあります。

検査・診断

先天性表皮水疱症では、皮膚の一部を採取し、顕微鏡を用いて詳細に観察することで診断をおこないます。また、正確な病型判断をするために遺伝子検査も行われます。

似たような皮膚症状が現れる病気もあるため、それらの病気を除外するための鑑別診断も大切です。

さらに、遺伝性の疾患であることから家族歴(患者さんの家族や近親者の病気の罹患歴など)について詳細に評価することもあります。

治療

先天性表皮水疱症の根本的な治療法は現在のところ存在しないため(2018年8月時点)、対症療法が中心となります。具体的には、生じている水疱やびらん(ただれ)に対して、ワセリン軟膏やガーゼなどを用いて対処します。

びらんや潰瘍(かいよう)が長時間存在すると、皮膚に感染症が併発することもあるため、この場合には抗菌薬の使用も検討されます。また、皮膚がんを発症することもあるため、その際には外科的な処置を含めたがんに対しての治療が検討されます。

そのほかにも、食道狭窄に対しての拡張術や、目の粘膜障害に対しての点眼薬の使用など症状に合わせた治療が考慮されます。

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