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先天性QT延長症候群

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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原因

心臓は血液を全身に送り出すため、一定のリズムで電気信号を発して収縮・拡張を繰り返しています。心臓が発している電気活動は心電図で確認でき、それぞれPからUまでのアルファベットで名前が付けられています。

先天性QT延長症候群のTとは、心電図検査で同定可能な電気活動の波の名称で、このQとTの間隔が通常より長く、心筋細胞の電気的な回復に時間がかかる状態をQT延長症候群と呼びます。

QT延長症候群は、遺伝子異常などによる先天性(生まれつき)のものと、薬剤(抗生物質、高脂血症薬など)や、電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症など)などによる後天性のものがあります。

このうち先天性QT延長症候群には、明らかな遺伝子異常を認めるものと、遺伝関係が確実に同定できない原因不明の特発性QT延長症候群があります。

遺伝性のもののうちRomano-Ward症候群は、常染色体優性遺伝で約1万人に1人程度、Jervell and Lange-Nielsen症候群は、常染色体劣性遺伝で約100万人に1人程度の発症率です。常染色体優性遺伝という遺伝形式では、両親いずれかが因子を持つ場合、理論的には50%の確率で子供にも遺伝します。

先天性QT延長症候群の原因として同定される遺伝子異常は、心臓の電気活動に関与するものです。2017年時点では少なくとも15個の遺伝子が同定されています。なかでも、KCNQ1KCNH2SCN5Aの三つの遺伝子異常が、もっとも発症頻度が高いとされています。

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