目的
再生医療は病気やけがなどによって失われた組織や臓器を再生することを目的として生まれた新たな医療です。
現在、再生医療を適応できると考えられている人体の部位は多岐にわたり、脳神経、目、耳、歯、歯肉、心臓、肝臓、食道、大腸、腎臓、尿道、卵巣、子宮、血管、皮膚、関節、骨などが挙げられます。これらの部位に生じる病気の中には、望み得る最高レベルの医療を行っても十分に改善しないものも多いため、手の施しようがなく命を落とすケースや重大な後遺症を残すケースも多々あるのが現状です。
再生医療は、患者自身や他者の細胞から治療に必要な組織や細胞を作り出して移植するため、他者の臓器移植などに頼ることなく治療を行うことが可能となります。また、現在の医学では治療法が確立していない病気の中にも、再生医療によって治癒する可能性が示唆されているものもあり、これまでの医療では治すことができなかった病気やけがのある部位を“新たに作り出した健康的な組織や臓器に入れ替える”ために生み出された治療法なのです。
現在、再生医療の対象となっている病気やけがは多岐にわたりますが、体性幹細胞を用いた一部の再生医療を除いて多くは研究段階にあります。このため、再生医療が行われるのは極めて限定的なケースといってよいでしょう。
万が一、臨床研究や治験の適応対象となっている病気やけがになり、本人の体力や合併症の有無、研究参加への意欲などの条件がそろえば、研究を行っている医療機関で再生医療を受けることができる場合があります。
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