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さいせいいりょう

再生医療

※この用語は、医学的には病名ではない場合、もしくは病名として認められつつある段階である場合があります。また、医療や身体にまつわる一般的な用語を掲載している場合があります。

最終更新日
2020年04月21日
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2020/04/21
掲載しました。

概要

再生医療とは、病気やけがなどで機能を失った組織や臓器を修復、再生する治療のことです。患者自身、または他者の幹細胞(全ての細胞のもとになる細胞)などを用いて特定の組織や細胞を人為的に作り出し、それを移植することで失われた組織や臓器を再生することが可能という考え方に基づきます。

再生医療で用いられる幹細胞には、“体性幹細胞”、“ES細胞”、“iPS細胞”の三つの種類があります。このうち、体性幹細胞は私たちの体内に広く存在し、血液や脂肪、骨、軟骨、筋肉、血管などの細胞のもとになっています。ある種の細胞は、特定の組織や細胞しか作り出すことができないのが特徴です。現在もっとも再生医療への応用が進んでいるのは、この体性幹細胞を用いたもので、保険適応となって多くの患者に行われている治療もあります。

一方、ES細胞やiPS細胞はさまざまな組織や細胞を作り出す能力を持ち、“多能性幹細胞”とも呼ばれる細胞です。ES細胞は受精卵を培養することによって生み出すことができ、iPS細胞は体の細胞から人工的に生み出す幹細胞ですが、2012年にはその功績が称えられ、開発者である山中 伸弥(やまなか しんや)氏がノーベル賞を受賞しています。また、2014年には世界で初めてiPS細胞から作られた網膜の移植手術が実験的に行われ、今後も広い分野の治療への応用が期待されています。

再生医療は、従来の治療法では十分な効果が望めなかった病気や、けがを治癒に導く治療法として大きく期待される一方、その安全性はまだ確立されていません。このため、再生医療を行うときだけでなく、再生医療に使用する細胞や組織の培養を行う際にも厚生労働省への申請が必要となります。

原因

再生医療は病気やけがなどによって失われた組織や臓器を再生することを目的として生まれた新たな医療です。

現在、再生医療が適応することができると考えられている人体の部位は多岐にわたり、脳神経、眼、耳、歯、歯肉、心臓、肝臓、食道、大腸、腎臓、尿道、卵巣、子宮、血管、皮膚、関節、骨などが挙げられます。これらの部位に生じる病気の中には、望み得る最高レベルの医療を行っても十分な改善ができないものも多いため、手の施しようがなく命を落とすケースや重大な後遺症を残すケースも多々あるのが現状です。

再生医療は、患者自身や他者の細胞から治療に必要な組織や細胞を作り出して移植するため、他者の臓器移植などに頼ることなく治療を行うことが可能となります。また、現在の医学では治療法が確立していな病気のなかにも、再生医療によって治癒する可能性が示唆されているものもあり、これまでの医療では治すことができなかった病気やけがのある部位を“新たに作り出した健康的な組織や臓器に入れ替える”ために生み出された治療法なのです。

現在、再生医療の対象となっている病気やけがは多岐にわたりますが、体性幹細胞を用いた一部の再生医療を除いて多くは研究段階にあります。このため、再生医療が行われるのは極めて限定的なケースといってよいでしょう。

万が一、臨床研究や治験の適用対象となっている病気やけがになり、本人の体力や合併症の有無、研究参加への意欲などの条件がそろえば、研究を行っている医療機関で再生医療を受けることができる場合があります。

検査・診断

再生治療を行う前にはそれぞれの病気の診断や重症度の評価を厳密に行うため、血液検査や画像検査などが必要に応じて行われるのが一般的です。

行われる検査の内容は病気の種類によって異なり、医療機関によって取り入れられている検査に差があるため、担当医の指示に従って検査を受けましょう。

治療

現在、健康保険の適応において行うことができる再生医療は4種類あり、重度のやけどに対する培養した皮膚組織の移植、膝関節の外傷性軟骨欠損症に対する培養した軟骨の移植、骨髄移植での重度な合併症である“急性移植片対宿主病”を予防するための培養した体性幹細胞の移植、虚血性心筋症に対する培養した骨格筋芽細胞シートの移植のみです。これらはいずれも“体性幹細胞”を用います。

一方、多能性幹細胞であるES細胞とiPS細胞のうち、iPS細胞から作られた網膜組織が加齢黄斑変性の患者に移植されるなど、治療への実用化が始まっているものの、保険適用となっているものはありません。研究の段階であるため“治療”というよりはむしろ“研究”といってよいでしょう。現在は、パーキンソン病脳梗塞水疱(すいほう)性角膜症、鼓膜損傷、重症心筋症、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)歯周病糖尿病先天性食道閉鎖症クローン病潰瘍性大腸炎肝硬変卵巣がん子宮頸がん変形性関節症、難治性骨折閉塞性動脈硬化症再生不良性貧血、表皮水泡症などに対する治療への応用が研究されています。

しかし、これら多能性幹細胞はがん化するリスクが現状では否定できていません。また、ES細胞は本来胎児として成長するはずの受精卵を用いるため、倫理面での大きな課題のクリアも必要となっているのが現状です。

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