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北青山D.CLINICにおける再生医療の提供体制

北青山D.CLINICにおける再生医療の提供体制
阿保 義久 先生

北青山D.CLINIC 院長

阿保 義久 先生

目次
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再生医療の発展により、加齢に伴う疾患をはじめ、これまで治療が難しかった疾患に対する新たな選択肢が生まれつつあります。中でも間葉系幹細胞を用いた再生医療は、その安全性や体への負担の少なさから、老化に伴う疾患や障害などに対して行われている治療です。

今回は、北青山D.CLINIC 院長の阿保 義久(あぼ よしひさ)先生に、同院の再生医療における安全管理体制や特徴についてお話を伺いました。

当院では、再生医療を専門とする医師だけでなく、脳神経外科や循環器内科、消化器内科、形成外科などの各領域を専門とする医師と連携しながら治療を進めていきます。患者さん一人ひとりの病気や体調を総合的に評価し、効果が見込めるタイミングで治療を提供するためには、患者さんの病気を専門的にみることができる医師が欠かせません。

それぞれの疾患の治療に精通した医師がそろっているため、“本当に間葉系幹細胞による治療が適切か/効果が見込めるか”など、治療の適応を慎重に判断し、患者さんとも相談しながら治療計画を立てることが可能です。

幹細胞を用いた再生医療を安全かつ効果的に行うためには、投与する幹細胞の“質”を高く保つことが必要不可欠です。当院では良質な幹細胞を投与できるよう、細胞培養センター(CPC:Cell Processing Center)を完備し、徹底した品質管理の下で細胞培養を行っています。CPCはクリーンルームとも呼ばれ、ウイルスや細菌などの微生物が存在しないよう、徹底的に衛生面に配慮した環境となっています。さらに、細胞の分離や処理を施す際には、より清浄度の高いキャビネット内で作業を行うなど、細心の注意をはらって細胞培養加工を実施しています。

細胞は、培養容器の中で細胞分裂を繰り返して増殖していきます。容器の中で増殖した細胞同士が接触してしまうと増殖のスピードが低下したり、不良な増殖をきたしたりします。そのため、細胞の状態を見極め、適切なタイミングで継代(別の培養容器に一部の細胞を移植すること)する必要があります。ただし、培養する期間が長ければ長いほど、あるいは継代の回数が多ければ多いほど良質な細胞が多く培養されるわけではなく、不適切な培養期間や継代頻度は細胞の質低下を招きます。適切な培養期間、至適継代頻度で培養を行い、良質な細胞を投与することが非常に重要です。細胞の品質を保つために、当院では継代回数を3~5回、培養期間を3~4週間以内とし、一度に投与する細胞数は5千万~2億個と定めています。

当院では、細胞培養士が常駐し、日々細胞の状態を観察・管理することで、治療に適したタイミングで投与できる体制を整えています。細胞の劣化が進んだり、治療に適切なタイミングを逃したりしてしまわないよう、院内での培養を徹底的に管理し、よい状態で細胞を使用できるよう工夫をしています。

また、当院のCPCには液体窒素保管容器(-196℃)による長期保管が可能な環境を備えており、患者さんの細胞の質を維持した状態で保存し、必要なタイミングで治療に利用することもできます。

再生医療を提供するにあたり、当院では特定認定再生医療等委員会を自院で設立し、安全性の確保に努めて治療を提供しています。この委員会は再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づいて制定されており、東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 クリニカルシークエンス分野 教授の松田 浩一先生をはじめ、院内外から細胞培養加工に関する知識を持つ方や、生命倫理に関する識見を有する方などが参画のうえ、厳格な基準の下で治療の適応判断や実施プロセスが管理されています。

患者さんの病気や症状に応じて、より適した方法で幹細胞を投与するために、当院では複数の投与方法を選択できる体制を整えています。基本的には、まず負担の少ない点滴(静脈注射)による治療を実施し、その後の経過をみながらより効果的な方法を検討します。

点滴に加え、動脈カテーテル投与や局所注射、さらには脳神経系の疾患に対しては脊髄くも膜下腔への投与(髄腔内投与)など、さまざまな投与方法が可能です。

当院では最大限の治療効果と安全な治療の両立を目指し、各領域を専門とする医師と連携しながら投与の方法やタイミングを慎重に選び、患者さんごとに適した治療戦略を立てています。

PIXTA
写真:PIXTA

再生医療は非常に期待の持てる分野ではありますが、現在の技術には限界もあります。また、個人差が大きいため、同じ治療を行っても結果が異なることは避けられません。

加齢によって細胞が減少したり機能が低下したりすることが分かってきていることから、将来的には若い頃の細胞を事前に保存し、必要なときに活用する技術が確立される可能性があります。さらに、今後研究がより進めば、自分よりも健康な方の幹細胞を用いた治療や、より一層リスクを抑えた幹細胞移植の技術が実現するかもしれません。iPS細胞やES細胞のような多能性幹細胞についても、安全に臨床応用できるようになれば治療の選択肢はさらに広がるでしょう。

今はまだ遠い道のりかもしれませんが、医療の世界では、ある日突然画期的なブレイクスルーが起こることも珍しくありません。今後も、目の前の技術革新を1つずつ積み重ねながら、最終的なゴールに向かって進んでいくことが重要だと考えています。

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再生医療は、私たち自身の細胞の再生力を引き出して行う治療であり、非常に意義のある医療だと考えています。私たち医療者もこの技術には大きな期待を寄せていますが、全ての患者さんに確実な効果を約束できる段階にはまだ至っていません。大切なのは、科学的な根拠に基づいた理解の下で、この治療を適切に活用することです。

当院では、実際の患者さんから得られるフィードバックも生かしながら、より精密な治療の実現に向けた再生医療の研究・開発を積極的に行っています。今後も再生医療の普及と、さらなる安全性の向上を目指し、患者さんの期待に応えられるよう診療・研究に向き合っていきます。

予防医療の観点から再生医療に関心を持たれている方、あるいは、既存の治療法でなかなか効果がみられないという方がいらっしゃれば、まずはご相談にいらしていただければと思います。

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