さじじょうづめ

匙状爪

同義語
スプーンネイル
最終更新日:
2022年07月14日
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2022/07/14
更新しました
2017/04/25
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概要

匙状爪とは、爪(爪甲)がスプーンのように反り返った状態になることです。スプーンネイルと呼ばれることもあります。

指の腹側からかかる力を爪が支えきれなくなるために起こる症状で、力がかかりやすい手の親指、人差し指、中指によくみられます。また、裸足で過ごすことが多い子どもは、足の親指に匙状爪がみられることもあります。

正常な爪は両端が皮膚とつながっており、指に沿った形に支えられていますが、たとえば誤った爪の切り方などで爪を支える力が弱くなると指の腹側からの力が加わり、爪が反り返るようになります。

また、鉄欠乏性貧血の方は爪が弱くなるため、匙状爪になりやすいといわれています。

原因

匙状爪は、指の先端の腹側に継続的な力が加わり、爪を支えきれなくなることで起こる症状です。

正常な爪では爪の両側が皮膚とつながっていることで指の腹に加わる力を支えています。しかし、何らかの理由により爪を支える力が弱くなっている場合、爪を支えられる以上の力が加わることでスプーンのように反り返ってしまうようになります。

このように爪を支える力が弱くなる理由に爪切りがあります。

爪切りで爪の両端を丸く切ると、爪と皮膚がつながる両端を徐々に短くしてしまいます。そこに指の腹側からの継続的な力が加わると、匙状爪がみられるようになります。

ただし、重い荷物を運ぶ仕事などで日常的に指先に力が加わっている場合は、爪の両端が短くなくても匙状爪になることがあります。

また、小さな子どもの場合、裸足で過ごすことが多く足の爪に力がかかりやすいため、特に理由がなくても匙状爪がみられることがあります。

そのほかにも、匙状爪は鉄欠乏性貧血によくみられる症状の1つとしても知られています。鉄欠乏性貧血の方は健康な方に比べて爪が弱くなることから、匙状爪になりやすいためです。

症状

匙状爪は、病名のとおり爪がスプーンのように反り返った状態になります。

特に、作業に使われることが多く力が入りやすい手の親指、人差し指、中指に現れることが多いです。

検査・診断

匙状爪は鉄欠乏性貧血が原因になっていることがあるため、爪やほかの症状から鉄欠乏性貧血が疑われる場合は、検査を行うことがあります。

鉄欠乏性貧血は血液検査によって調べることができ、血液中のヘモグロビン値、MCV(赤血球の大きさ)、血清フェリチン値(貯蔵鉄の量)などから診断されます。

また、鉄欠乏性貧血の原因を特定するために、婦人科疾患や消化器疾患の検査を行うこともあります。

治療

匙状爪の治療は原因によって異なります。

原因となる病気などがなく、間違った爪の切り方が原因の場合は爪切りの方法を見直します。

爪は指先の形に合わせて丸く切り、爪先の白い部分は少し残すようにします。指先よりも短くならないようにし、特に爪の両端を短く切りすぎないようにします。

また、指先に力が入るような動作も匙状爪を引き起こすため、そうした仕事を行う際には道具を使用して指先に力が入りすぎないように注意するとよいでしょう。

子どもの足の指にみられる匙状爪は一時的な症状であることがほとんどで、靴を履いて歩くようになれば徐々に改善するとされています。

匙状爪の原因が鉄欠乏性貧血の場合は、その治療が必要です。

通常、鉄剤を内服すると数週間程度で貧血症状が改善しますが、場合によっては体内の貯蔵鉄を正常化するために数か月単位で鉄剤の服用を続ける必要があります。

予防

匙状爪は誤った爪の切り方が原因になることが多いため、正しい爪切りの方法を心がけることが大切です。

爪は指の先端よりも短くならない程度に切るようにしましょう。

爪は指先を保護する役割を持っているため、短すぎる爪は匙状爪に限らず爪や指先のさまざまなトラブルを引き起こす原因になります。

また、鉄欠乏性貧血が匙状爪の原因になることもあります。

鉄欠乏性貧血は食生活と密接に関わっており、規則正しくバランスのよい食事が発症予防につながります。特に女性は月経や妊娠、授乳などで鉄欠乏性貧血になりやすいため、食生活に注意することが大切です。

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