概要
卵胞期短縮症とは、通常よりも卵胞期が短いことで月経周期全体も短縮してしまい、28日より短い周期で月経が来る状態です。
月経周期を卵巣の変化で捉えたとき、ひとつの周期は卵胞期、排卵期、黄体期というサイクルで構成されています。通常は卵胞期~排卵期と排卵期~黄体期は約14日間、合計約28日で一周します。月経周期の正常範囲は25~38日間、変動は6日以内とされています。月経周期が短く、24日以内を頻発月経、逆に月経周期が長く39日以上3か月以内を希発月経といいます。
思春期で排卵周期が確立する前では短い周期で月経が来ることもありますが、これは無排卵の状態と考えられ、卵胞期短縮症とは異なります。
原因
月経排卵周期は、脳から分泌されるFSH(卵巣刺激ホルモン)やLH(黄体ホルモン)というホルモンが卵巣に作用することで分泌される、エストロゲンやプロゲステロンの影響を受けています。卵胞期短縮症とは、何らかの原因によりこれらのホルモン分泌がうまくいかないことで発生すると考えられています。
症状
卵胞期短縮症の症状では、月経回数の増加、基礎体温の変化、不妊症などが挙げられます。月経周期が短くなるため月経の回数が増えます。月経による出血量が増えることは通常ありません。
卵胞短縮症の方が基礎体温を測ると、卵胞期を反映する低温相が短く、黄体期を反映する高温相はほぼ正常(約14日間)なことが多いです。卵胞短縮症では卵胞期が短く卵胞が十分に発育できないため、妊娠しにくい、早期流産など不妊症の原因となることもあります。
検査・診断
卵胞期短縮症が疑われる場合、基礎体温を測って卵胞期の期間を調べます。このとき、血液検査でホルモンの数値を計測したり、経腟超音波検査で排卵までの卵胞の発育状況を確認したりすることもあります。
治療
卵胞期短縮症の治療は、妊娠希望の有無により決定します。妊娠を望んでいない場合には、特に治療の必要はありません。妊娠を望む場合、ホルモン療法で卵胞期を伸ばして卵子の発育を促したうえで、内服薬や注射薬の排卵誘発剤を用いた排卵誘発療法を実施します。
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