ひんぱつげっけい

頻発月経

最終更新日:
2024年08月19日
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2024/08/19
更新しました
2017/04/25
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概要

頻発月経とは月経不順(生理不順)の1つで、月経周期が24日以内であることをいいます。

一般的な月経周期は25〜38日といわれており、これより短い場合を“頻発月経”、長い場合を“稀発月経(きはつげっけい)”といいます。頻発月経は特に初めての月経(初経)から間もない時期や閉経前の時期によくみられるといわれています。

月経とは、排卵が生じた後に妊娠に至らなかった場合、子宮内膜が剥がれ落ちて体の外に排出されることをいい、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)などが大きく関係しています。

月経周期は“卵胞期”、“排卵期”、“黄体期”の3つに大きく分類されます。卵胞期から排卵期に向けて、卵胞ホルモンの作用によって子宮内膜が徐々に分厚くなり、排卵後の黄体期には黄体ホルモンの作用により子宮内膜が柔らかく整えられます。黄体期に妊娠が成立しないと卵胞ホルモンと黄体ホルモンが減少して月経が生じ、子宮内膜が薄い状態に戻ります。

月経は通常、ある程度規則正しく生じますが、過度なダイエットやストレス、病気などさまざまな原因で頻回に起きたり遅れたりします。

種類

頻発月経は、“無排卵性”のものと“排卵性”のものに分けられます。

無排卵性

排卵が生じていないにもかかわらず、月経が起きている状態です。少量の出血が長期間にわたって続くため、なかなか月経が終わらないことが特徴です。性的に未成熟な思春期や卵巣機能が低下する閉経前の女性に多くみられます。

排卵性

排卵がある場合の頻発月経は、卵胞期または黄体期が短くなることで起こります。

卵胞期の短縮による頻発月経は無排卵性のものと同様、思春期や閉経前によくみられます。一方で、黄体期の短縮による頻発月経は黄体機能不全などの病気が疑われ、不妊や流産の原因となることもあります。

原因

頻発月経をはじめとする月経不順のほとんどは、生活習慣に起因するホルモンバランスの乱れによって生じるといわれています。たとえば、過度なダイエットやストレスの蓄積、不規則な生活などによって排卵が起こらなくなり、月経周期が乱れることもあります。

そのほか、子宮や卵巣の病気、ホルモンと関連する甲状腺の病気などが影響して月経不順が生じる人もいます。

症状

頻発月経では、月経が24日以内に1回生じます。出血の状況には個人差がありますが、無排卵性の場合には少ない出血量で長期間月経が続く傾向にあります。

検査・診断

まず問診で年齢や月経不順に気付いた時期、普段の月経周期や出血量などを詳しく確認します。中には妊娠や婦人科系の病気による不正出血を月経と勘違いする例もあるため、状況に合わせて妊娠の有無や、画像検査などによって子宮や卵巣の状態を詳しく調べることもあります。

妊娠や病気などがない場合は、基礎体温を用いて月経周期を正確に把握し、診断に役立てます。基礎体温は4~5時間以上安静にした後(睡眠をとった後)、起き上がらずに婦人体温計を舌裏の根本にあてて測定します。女性の体は月経周期に伴って体温が変動します。卵胞期は低体温気味で、排卵期にもっとも低くなり、黄体期は高体温気味になります。3か月程度基礎体温を測定し続けその変動を確認することで、月経周期と異常の有無を把握できます。

そのほか、血液検査によるホルモンの測定なども検討されます。

治療

頻発月経の治療方法は、その原因や年齢、妊娠の希望などによって異なります。

妊娠や婦人科系の病気、甲状腺の病気などがあれば、それらの対応や治療も行います。このような原因がない場合、思春期の人は月経周期が乱れやすいため、積極的な治療をせず経過観察となることもあります。しかし、過度なダイエットをしている場合や肥満の場合などには、カウンセリングや栄養指導などを行うこともあります。

経前の人も月経周期が乱れやすい傾向にあるため、具体的な治療をせずに経過観察となる可能性があります。体のほてりなど更年期障害のような症状がみられる場合は、症状に応じてホルモン補充療法や漢方薬などによる薬物療法も検討します。

妊娠を希望する人に対しては、状況に応じて何らかの治療を検討することがあります。たとえば、黄体機能不全による頻発月経の場合、黄体ホルモンの分泌が不十分なため、黄体期に黄体ホルモンを補う黄体補充療法を行うことがあります。また、排卵誘発薬を使用して、排卵を促す治療を検討する場合もあります。

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