ひんぱつげっけい

頻発月経

子宮

目次

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概要

頻発月経とは、前回の月経から24日以内に次の月経が始まる性周期異常を指します。

女性の性周期は、一般的には25~38日の周期で巡り、周期ごとの日数の差が6日以内である場合を正常と考えます。性周期はさまざまなホルモンの分泌によって調節されており、それらのホルモンは脳にある視床下部や下垂体、そして卵巣から分泌されています。

女性の性周期に影響を及ぼすホルモン

卵巣からは性周期を司るエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが分泌されており、下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンは卵巣にはたらきかけて女性ホルモンの分泌を促します。さらに、下垂体の性腺刺激ホルモンの分泌は視床下部から分泌されるホルモンによってコントロールされています。

このように女性ホルモンは視床下部→下垂体→卵巣と3つの段階で分泌が調整されています。

女性の性周期

性周期の始まりは月経開始日とされていますが、この日から排卵までの約14日間は「卵胞期」と呼ばれ、エストロゲンが多く分泌されます。エストロゲンは、卵巣の中にある卵子の元となる細胞を成熟させ、正常な卵子の形成と排卵を促します。

そして、排卵から次の月経までの期間を「黄体期」と呼び、プロゲステロンが多く分泌される時期にあたります。プロゲステロンには、子宮内膜を成熟させて受精卵が着床しやすい状態を作り、維持するはたらきがあります。

着床が生じない場合には、プロゲステロン分泌量が低下して、成熟した子宮内膜が剥がれ落ちます。この現象が月経であり、次の性周期へと移行します。

頻発月経は、年齢が上昇するごとに発症率が高くなります。生理的な「個人差」の範囲である場合もありますが、卵胞期が短い卵胞期短縮症、黄体期が短い黄体機能不全などが原因であることが多く、不妊のリスクになる場合があるため、妊娠を希望する場合には適切な検査を受けることが大切です。

原因

頻発月経は、性周期の卵胞期や黄体期が短縮することが原因です。それぞれを卵胞期短縮症、黄体機能不全と呼びますが、原因は下記の通りです。

卵胞期短縮症

卵巣機能は年齢とともに低下します。そのため、卵胞の成熟が遅れたり十分に行われなかったりする傾向にあります。この状態を視床下部が感知することで、下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌が促され、結果として増加した性腺刺激ホルモンの作用によって排卵が早まることがあると考えられています。

黄体機能不全

排卵されると、卵巣内に残った卵胞の組織が「黄体」を形成し、黄体がプロゲステロンを分泌します。この黄体の機能が低下してプロゲステロンの分泌が正常に行われないと、子宮内膜が十分に成熟せずに脱落しやすくなり、正常よりも黄体期が短くなります。原因としては、性腺刺激ホルモンの分泌量の低下や感受性の低さ、ストレス、高プロラクチン血症、肥満などが挙げられます。

症状

頻発月経では月経開始日から次の月経が生じるまでの期間が24日以下になります。もちろん、性周期には個人差があり、それぞれ異なります。また、周期によって異なる女性も多くいます。しかし、正常な性周期は25~38日で周期ごとの日数の差が6日以内と医学的には定義されています。

なかには、ホルモン分泌量や卵巣の状態などに何も問題がない場合もありますが、多くのケースでは卵胞期短縮症による排卵障害や黄体機能不全などがあり、不妊症となることも多くあります。

検査・診断

基本的には、基礎体温の計測を行って性周期の状態をみながら、詳しい検査を行います。具体的には、卵胞期・黄体期ごとのホルモン検査や、子宮・卵巣に異常がないかを調べるための超音波やCTなどによる画像検査が行われます。

また、ホルモン検査などから視床下部や下垂体の異常が疑われる場合には、頭部CT、MRIなどの画像検査が行われることもあります。

治療

妊娠を望まない場合

特に治療の必要はありません。しかし、頻回に生じる月経のために正常よりも出血量が増え、貧血を生じることもあります。定期的な検査を行い、貧血があれば鉄剤投与などが行われます。

妊娠を望む場合

卵胞期短縮症が原因である場合には、排卵誘発剤によって正常な卵子の成熟と排卵を促す治療が行われます。性腺刺激ホルモンが過剰なときには、性腺刺激ホルモンのはたらきを抑えるための点鼻薬が用いられることもあります。黄体機能不全の場合には、排卵後にプロゲステロンや黄体刺激効果のあるhCG製剤の投与などが行われます。

卵胞期と黄体期の期間の乱れは同時に生じることが多いため、これらの治療を同時に行うことも少なくありません。

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