原因
肝臓では脂肪分の消化・吸収に必要不可欠である胆汁がつくられます。1日におよそ1リットルつくられる胆汁は、肝臓内の細い胆管を通って胆嚢に蓄えられて濃縮された後、太い胆管を通って十二指腸へと分泌されます。原発性硬化性胆管炎の患者さんは、肝内外の太い胆管が障害されて胆管がせばまり、胆汁のうっ滞が引き起こされます。
何らかの免疫学的異常により、胆管が障害されると考えられていますが、免疫抑制薬を使用した治療効果がはっきりと得られないため 、本当に自己免疫性疾患と呼べるものかどうかは定かではありません。
しかし、患者さんの検体を用いた網羅的遺伝子解析からは免疫に関わるさまざまな遺伝子が発症に関わる可能性があると考えられており、今後さらなる詳細な検討が必要とされています。潰瘍性大腸炎をはじめとする炎症性腸疾患を合併する頻度が高いことから、発症に何らかの関わりがあるものと推察されています。
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