治療
治療法の主体は手術ですが、神経が回復する可能性があるときはしばらく様子を見ます。
発症早期の場合は薬物治療や音声治療と呼ばれるリハビリテーションを行うこともあります。薬物治療では神経の炎症を抑える薬や神経の修復を助ける薬を用い、リハビリテーションでは、主に言語聴覚士のもとで効率的に発声できるように訓練します。
反回神経麻痺が回復する見込みがないと判断した場合は手術を検討します。発症から半年程度が目安となりますが、状況により早期に行うこともあります。手術の目的は、発声しやすい位置に声帯を動かし、痩せた声帯の形態を整えることです。手術法には、患者自身の皮下脂肪や医療用コラーゲンなどを注入して声帯を膨らませる“声帯内注入術”と、皮膚を切開してから声帯の位置や形態を整える“喉頭枠組み手術(喉頭形成手術)”があります。治療法によって効果や負担が異なるため、声帯の状態や患者の希望に応じて選択します。
両側反回神経麻痺により呼吸困難があるときは、声帯の下方で気管に穴を開ける“気管切開術”が必要になります。気管切開の穴を閉じるためには、声帯を外側に移動する“声門開大術”が必要となります。
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