原因
心臓の周りには、心膜と呼ばれる膜が存在しています。心膜は柔軟性があり、心臓のはたらきを邪魔しないように、心臓の拍動に合わせて伸び縮みする性質があります。特に、心臓に血液が流入する拡張期においては心臓の容積が大きくなるため、心臓の拡張を邪魔しないように心膜が伸びることが重要です。
しかし、収縮性心膜炎を発症すると、心膜の柔軟性が低下するため、心臓の拡張が阻害されることになります。その結果、血液の心臓への流入が障害を受けることとなり、さまざまな症状を呈するようになります。
収縮性心膜炎は心膜の炎症により発症しますが、炎症の原因には多種多様なものが知られています。ウイルスや結核などの感染をきっかけとして炎症が生じることがあれば、自己免疫疾患(免疫系が自分自身の細胞や臓器に反応して攻撃してしまう疾患)に関連して心膜が標的臓器となって攻撃を受け、炎症を生じることもあります。
また、心臓の手術や、がんに対する放射線治療に関連して炎症が引き起こされたり、がんの転移、腎不全などが原因となったりすることがありますが、原因が分からない場合もあります。
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